謎スキル発現
《スキル【
「ん?」
騎士さんがくるまでひったくり犯を抑え続けていたら、謎の声が聞こえてきた。どうやら新しいスキルが発現したみたいだ。
(こんなに簡単に手に入れてしまっていいのだろうか……)
自分のスキルの影響だけれど、少し罪悪感みたいなものがある。
まあ、気にしないことにした。
(そういえばもう一人の犯人さんはどんな感じなんだろう……? アーリャさんは隠密系のスキル持ってるって言ってたから小柄で動きやすいような人なのかな……)
「ライト〜〜!」
噂をすればなんとやら。ミアが手を大きく振りながらこちらに走ってきていた。
が、しかし……
『ゥ、ゥヴッ……』
「!?!?」
ミアが引きずっているひったくり犯の仲間であろう人は、ガタイのいいムッキムキの男だった。
「な、なんかイメージと違ったなぁ……。ってか死んでないよね!?」
「大丈夫! 手加減するのすご〜く頑張ったんだからね!」
ミアがキラキラとした眼差しを僕に向ける。まるで、ワンちゃんが『頭撫でてくれや』とでも言わんばかりの表情だ。
「あ、ありがとう、ミア。けどちょっとやりすぎかな〜……」
ミアの頭をなでなでとすると、嬉しそうな声を漏らしていた。
《特殊スキル【温もり】を獲得しました》
「んんっ?」
な、なんなんだこのスキルは……。
【鑑定】したら何かわかるかな?
――――――――――
特殊スキル:【温もり】
説明:癒し。
――――――――――
うーん……。説明が説明になっていない。もっと詳しく説明してほしい……!
これは謎スキル認定かな。
「ライトどーしたの?」
「え? ああ、いや、なんでもないよ」
数分経った後、騎士さんがようやくやってきてひったくり犯二人を連行していった。
###
――冒険者ギルドの一室にて。
「う〜む……」
「どうしたのですか、ギルドマスター」
ギルド職員が、ギルドマスターに話しかけていた。
「いや、ライトのことで問題が生じてしまってな」
「ライトくんのですか?」
「うむ。王都から来る予定だった馬車が、盗賊団に襲われてこれなくなっているようだ」
「ライトくんならばその盗賊団も倒せるのでは?」
「確かにありある。が、それではないんだよ、問題は……」
ギルドマスターは思いつめた表情で溜息を吐く。
「あの馬車には、この街……いや、この国一つ転覆させれるほど脅威な魔物が乗っていたのだよ……」
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