愛の告白?
ギルドに色々と報告するため、質疑応答を受けた後、ようやく僕らは自由の身となった。
「危ない危ない……」
質疑応答されてる時、干からびるんじゃないかと思うくらいに汗がダバダバ出た。
こんなに焦ったのは、僕が小さい頃、お漏らしした布団を隠して数日間放置させてしまい、お母さんにバレた時くらい焦った。
……嫌な黒歴史を思い出してしまった。
「にしても流暢な言葉喋るなぁ」
「ずーっとライトと一緒にいたからね! 頑張って覚えた!」
「……本当にミアなんだよな?」
「そーだよ? まだ信用ならないなら……ほらっ!」
ぽんっと音を立てて、いつものトカゲスタイルに戻った。だが、生えていなかった角や翼が追加されていた。
いつものポケットに収まるサイズではなく、中型犬くらいの大きさだった。
「お、おお……」
「よっと」
人間の姿に戻るミア。
感嘆の声を漏らす僕だったけれど、ミアの眉は少し垂れていて、心配そうな顔をしていた。
「……今まで黙っててごめんね。やっぱりちょっと怖い……? 私のこと嫌いになったり……」
「そんなことない!!」
バッとミアの両手を握りながら勢いよく否定する。
「ミアは昔からずっと一緒で唯一の存在だ! 姿が変わってもミアはミアだ。そんなことでミアのことが嫌いになるわけない! 僕はミアが好きだからな!?」
「ぇ……ぁぅ……。はぃ……」
ミアは、耳まで真っ赤にして、ぷいっとそっぽを向いた。
ヒソヒソと、周りからの声が鮮明に耳に届いてくる。
「あら〜、お熱いわねぇ」
「愛の告白だな」
「昼間っからいちゃつきやがって!」
「末長くお幸せになってほしいな」
「誰か爆裂系のスキル持ってねぇかぁ?」
数秒思考が停止する。再び動き始めた頃、ようやく今の状況が理解でき、僕の顔が一気に紅潮し始める。
「あ……あー……。み、ミア帰るよ!」
「うん♪」
はっっっず!! あんな公衆の面前でこんなことをするだなんて……!
恥ずかしすぎて顔から火が吹き出そうだった。
満面の笑みを浮かべて満足そうなミアに対し、僕は顔面を真っ赤にしながら今泊まっている宿まで帰った。
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