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「ねぇ茉奈、愛生の家行ったんでしょ」
バレていた。
「ち、智絵里……」
「何したの?クンカクンカされたんでしょ」
「うっ……はい……」
なぜバレているんだ?もしかして尾けてきたとか?でも別に私が悪いことをしているわけではないし、隠す必要もないだろう。
「聞いたの。希乃に」
太もも野郎ッ!!!
「ね、どんなとこだった?やっぱすごい綺麗なんでしょ?お部屋も」
興味津々な智絵里を見て、何か嫌なものを感じた。とりあえず婉曲して伝えてみる。
「えっと……凄く綺麗だけど特に智絵里に何かあるわけじゃないよ?」
「いいから教えなさいって!ちょっと興味あるだけっ」
ぐいっと顔を近づけてきた。シミひとつない綺麗な顔だ。
「ちょ、近い近い!わかったよ!」
そして仕方なく私が見たものを事細かに説明してあげた。
「髪の毛と背中と足の裏を嗅がれたんだぁ、ふ〜ん」
「な、なによ」
「別に?愛生にはそんなことさせるのに、私にはなんにもないの?かなしいなあ、さびしいなぁー」
わざとらしく声を出して落ち込んでみせる智絵里。
この子は本当に……。
「ごめんってば、ちゃんとするから許してよ」
「じゃあ今週末デートしよ、そしたらゆるしてあげる」
「え……」
何をされるんだ……。
「安心して、一線は越えないから、約束するから!」
「そんなん当たり前でしょ!?」
「一緒にお出かけするだけでいいの!!」
「ま、まあ、それなら……」
そう言うと満足そうな顔になり、さっきまでとは打って変わって悪戯っぽい笑顔で私の胸に手を当ててきた。
「やった!絶対だからね!?約束だよ、茉奈!」
手が前後する。
「やわらかー……」
「ぁあ、ん……ぅーっ!!!やめてぇ!!」
全く……。
結局その日はずっと胸を触られ続けてしまった。当日が不安だ……。
_____ 土曜日。今日は智絵里とのデートの日である。
待ち合わせ場所に着くと既に彼女はそこに居た。白いブラウスの上にベージュのカーディガンを着ていてとても清楚に見える。やっぱり見た目はいいんだよな……。その丰容が目立つのか、周囲がちらちらと視線を送っていた。
「お待たせ」
声を掛けるとこちらを見て嬉しそうに笑う。
「わーい!デートだぁ!」
そしてそのまま手を繋いで歩き出した。こんなところでモミモミが始まって騒ぎになったら困るんだけど……。
「ねぇどこ行くの?」
「んー……とりあえず服見たいかも」
「じゃあそっち行こっか」
智絵里について行く。太陽を背にした彼女はいつもの智絵里よりも生命力というか……瑞々しくて綺麗だった。
「これ可愛い!」
マネキンが着ているワンピースを見ながら智絵里が呟く。確かに可愛いデザインだし彼女に似合いそうだ。
「試着してみたら?」
「うん!」
元気よく返事をして試着室へ入って行った。私は近くの椅子に座って待つことにする。
数分後カーテンが開かれた。そこには先ほどまでの彼女とは違う姿があった。
「どう?かわいい?」
スカート部分を摘みながらくるりと回る智絵里。
肩出しのデザインなので鎖骨がはっきりと見える。上品さと可愛らしさが両立していて私には魅力的に映った。
「すごく似合ってるよ、買っちゃえば?」
「ほんと?じゃあこれにしちゃおうかな〜」
いつも見せるニヤケ顔とは違う、あどけない笑顔。何だか、少し変な気分だ。
その後は彼女の行きたいところに行って買い物をした。途中何度かセクハラされかけたが、それは置いておくとして、楽しかった。
「ねぇ、そろそろご飯食べに行こうよ!お腹空いちゃって」
「いいよ、どこいく?」
「んー……和食が食べたいなあ」
「オッケー、じゃあ近くに美味しい店あるからそこ行こ」
そう言ってまた手を繋ぐ。指と指を絡める。恋人繋ぎだ。ドキドキしながら歩いて目的地に向かう。
「どうしたの?変な顔してさ」
囁きかけられる。変だ。なんだか、ドキドキする。
………… 食事を終えて外に出た頃にはもう夕方になっていた。公園のベンチに腰掛けて食休みをとる。
「おいしかったね〜!」
「うん、智絵里がいっぱい食べるから驚いたけど」
「だって美味しいんだもん!仕方ないじゃん!」
膨れっ面になる智絵里。
「……ところでそろそろ、もう一つのメインディッシュを楽しみたいかなーって」
ぎゅっと腕を掴んで密着してくる。
「ちょっと、こんなとこで」
「大丈夫、誰もいないから」
そう言う問題じゃないのに……。智絵里は強引に私の体を引き寄せて抱きついてくる。柔らかい感触が伝わってきた。
「んふっ、茉奈、あったかい……」
耳元に吐息がかかる。
心臓の音、聞こえてるんじゃないかな。
そんな想いを察知したように心臓の辺りをまさぐる手が伸びてきた。
「ん、ぁ……」
思わず声が出る。胸の先がぴりっと痺れたような感覚を覚えた。
「いいよね、このまま、しちゃおっか……」
そう言うと首筋に顔を近づけてきた。
「やめっ、ぁ……!」
「ちゅっ……」
唇が触れる。吸われる。舐められてる……。
指はより激しく先を嬲っている。布越しの摩擦がかえってイイ。
「んん、はぁ……」
気持ちいい。頭がぼやけてきた。
「あれ、抵抗しないの?」
「はぁ……はぁ……うぅ……」
「もしかして期待してた?」
……否定できない。
「んふ、可愛い♡ほらほら、くり♡くり♡♡」
「ちが……ひゃあん!」
反論しようとした瞬間ブラジャーの中に手が侵入してきた。乳首を摘まれて情けない声を出してしまう。手は緩やかに全体を覆うような形に移行し、中指と薬指の間でこりこりと乳首を弄んでいる。
「あっ、だめぇ……!」
「ダメじゃないでしょ?ていうか、直で触ったの久しぶりっ♡すべすべして柔らかくてサイコーだよぉっ♡♡♡」
「う、うん……もっとぉ……」
「素直になれたご褒美あげるね♡♡……ぢゅ」
「んむ!?︎」
智絵里の舌が口内に侵入してくる。
「ぢゅ、ぷちゅ、んく、く……ぅっ♡♡」
期待で神経が集中している口の中を容赦なく責め立てられ、同時に両方の先も強く捻られる。乳輪をなぞるようにして焦らす動きもテクニカルで、すぐ波がやってくる。
「んー……ぅ……っく、ぅうううっ!!♡」
快感に抗えず私は達してしまった。熱が放たれる。
「んぷぁ……イッちゃった?」
「はぁ、はぁ……」
荒い呼吸を整えながらコクッとうなずく。
「……これ、一線越えてないよね?」
「越えてるよ……余裕で」
「ごめんね」
……デートは、変な終わりを告げた。
***
「ただいま」
「おかえり、お姉ちゃん、ねえいつもの」
「はいはい」
憧子が私に駆け寄ってくる。甘えん坊でかわいい、私の妹だ。普段はしっかり者だが、私の前ではまるで赤ちゃんみたいだ。
「ぢゅ、ぢゅぅぅぅうううう♡♡♡♡♡」
指にしゃぶりつく憧子は私の天使だ。乳離れの前に母親を失ったことで、口寂しいのだろう。だが、自分が憧子にとっての母であるかのような気分が、今の私には癒しだった。
「ちゅぷぁ、っ……れろ……ぉ」
舌は私の手を這い、入念に肌を唾液でコーティングしていく。
「お姉ちゃん、今日はおへそにも……ちゅーしたい」
「いいよ、好きなだけ吸って」
お腹を差し出す。腰回りを掌ですりすりされて何だか頭が溶ける。
「ぢゅぅっっっっっ♡♡♡」
「んにぃいいいっっっ♡♡♡♡♡」
この瞬間にしか感じることのできない刺激に力が抜け、情けない声が飛び出す。
こういうわけで舐めたり吸われたりするのは、意外と慣れているのだ。ただ、憧子は変態なんかではない。断じて。
「お姉ちゃん、今日もすっごくおいしい。大好きだよ、お姉ちゃんっ♡」
今日も妹が天使すぎた。
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