日本列島横断型桃太郎

金鶏

どんぶらこ〜どんぶらこ〜

昔々、のどかな村で育ったお爺さんとお婆さんがいました。


そんなお爺さんにとって30人目の妻と、お婆さんにとって185人目の夫と、貧しくも平和な生活をしていました。


ある時、お爺さんは川に芝刈りに。

お婆さんは山に洗濯に出かけました。


お婆さんが山で洗濯をしていると、ふと、そこの物陰から全長3メートルを超えるヒグマが現れました。


「これはまた…上々な獲物だねぇ…何日持つかしら…」


お婆さんは洗濯物を振るい、ヒグマのお腹にお爺さんのふんどしを突き刺しました。


洗濯をしていたはずなのに、気づけば洗濯物ば血で汚れていました。

こうして、洗濯を再開したお婆さんでしたが、そのふもとの村では赤い川が流れていきました。


一方その頃、川で芝刈りをしていたお爺さんは、芝に火を放ち、近くの山まで引火させていました。



一方のその頃、太平洋をどんぶらこ〜どんぶらこ〜と横断していた大きな大きな桃がありました。

その桃はやがて日本列島に進出し、鬼ヶ島に衝突し、鬼ヶ島を押し潰しました。


この時に、鬼が税金を誤魔化して溜めていた金銀財宝、金の束が巻き上げられ、その大きな大きな桃は金を振りまく桃として一躍有名になりましたとさ。


めでたしめでたし。

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