迷える僕のメロディ
芹沢ジュネ
迷える僕のメロディ
午前2時。
僕はベッドの上で頭を掻きむしる。
「寝れねぇ。」
頭の中は、「今日をどう生きるか」よりも「今までの後悔」で詰まっていた。
「なんで、こんな生き方してきちゃったんだろ。」
我ながら、なんとも18歳らしい悩みだと思う。
でも僕はいたって真面目に悩んでいる。
誰かの特別になりたいだとか、何かのスターになりたいだとか、そんな考えは馬鹿げてるってわかってる。
だけど、苛立つんだ。
何の取り柄もない自分に。
ふとスマホを開いて、SNSを覗けば、そこはキラキラした人間だけが輝ける世界が広がってる。
まるで僕は社会から弾かれたような気持ちになって、腹が立つから、スマホを投げる。
君らしく生きればいいなんて、誰かは言うかもしれないけれど、
ぼくにとっちゃ、そんな簡単に言うなって話だ。
こんなことに悩み続けている自分にも苛立つ。
ため息をつく。
呼吸を整える。
ーふとメロディが思いついて、鼻歌を歌ってみる。
「これだ」
なんだか世紀の発見をしたかのように嬉しくなって、メロディの中に吸い込まれていく。
目をつぶって、僕だけの世界に入るんだ。
迷える僕のメロディ 芹沢ジュネ @june_s
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