第7.5話 ゼータが師匠?!
「お願いだ、剣を教えてくれ。」
俺は同じ騎士学校を、卒業した騎士たちに頭を下げていた。プライドなどとうの昔に捨ててきた。…が、いざやると心が痛む。
「無理だよ、…無理。剣術を教えるほどスキルはないけど、君才能ないもん。」
元は同じ同級生だったのに、というか騎士認定試験で落ちたのは僕だけだ。そんな奴はどんな奴も断るよね。
「何?怖気付いたか?ユニス。」
ゼータが煽ってくるが、ゼータに、強くして貰えるかもしれん。
「え?我輩、嫌だ。」
駄目だった。まあ、この心の中も見え透いてるんだろうよ。
(まあ、でもいいんだけど、うん。)
どっかのワガワガ言ってる奴の気持ちが伝わってくる。何だこの感覚。
「え?いいの?」
俺は、聞いてみた。
(聞こえてるのか?)
うん。聞こえてる。
「ただ、集中しないと難しい。」
俺は、嘘をついた。
(まあ、我輩には、お見通しだけどな。)
そう、筒抜けなのだ。ただ、凄く疲れるのも事実。何せ二人分の人格を脳で処理しているからだ。
身体からひょいっとゼータは、出てくる。
「あ、そうそう我輩魔力足らないとこうなるぞ?」
ゼータは、照りつける夕日をバックに満面の笑みで仁王立ちしている。が、彼の体は所々色が無い。手や足が薄くなって霊のようだ。
「まあ、疲れてるし、魔力足らないのはこっちも分かる。」
実際こいつが現界する時は身体が重くなる。そう、子供をおんぶするような感じに結構ずっしり来
「うるさい!重いとか我輩になんと言うか!」
「だって重いんだもん。」
俺は、これから三か月ほどの鍛錬に励むことになる。
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