冬休み明けに友情を確かめよう!

「あー、もう今日から三学期か」

「明けましておめでとうございます昨年は大変お世話になりました本年もどうぞよろしくお願い申し上げますそんで山川この野郎ぉぉぉぉぉ!」

「ハイおめでとう田中、よく息継ぎ無しで最後まで言い切れたな。いきなりどうした?」 

「どうしたもこうしたもねぇよ、山川の冷血漢! 付き合い悪いにも程があるだろ!」

「付き合いィ?」

「惚けるなよ! 冬休み中、再三メッセージ送ったのに、尽くスルーしやがって! そんなに俺と遊びたくないのかよ、友達甲斐ねぇぞ馬鹿ぁ!」

「……ああ」

「荒ぶる日本海寒中水泳大会にも、サンタクロース大捜索団にも、かき氷大食いフェスタにも氷上裸祭にも誘ってやったのに!」

「そのイベント名を聞いて、俺が『行く行く!』って返事をすると思うのか? というか、実在するのか、そんなイベント。主催者の頭、大丈夫か。それに参加しようとするお前の頭が大丈夫じゃないことは知ってるが」

「ノリが悪いだけならまだしも、全てを総括した返事が『脳味噌凍れ』の一文ってどうなんだよ! 遠回しに死ねって言ってるだろ!」

「うまい具合にコールドスリープ状態になって、何百年か後に復活できるかもしれないだろ」

「ああ……あ?」

「そんなくだらない――というか、命に関わりそうなイベントばかり提案するお前が悪い。もっと普通の、初詣とかスケートとかなら付き合ったっての」

「よし、言ったな山川? じゃあ、今日学校が終わったらすぐに出発だ!」

「ん? なんだ、普通のイベントもあったのか」

「うん、普通普通。『極寒の雪山・イエティと記念写真撮影ツアー』」

「脳味噌凍傷になって腐り果てろ」

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