学校祭を楽しもう!~その7・体育祭応援~

「♪待ってた、待ってた、体育祭! わーい、わーい、血祭りだ~!」

「なんて物騒な歌を歌ってやがるんだ、田中」

「応援歌」

「戯言を。応援するなら、もう少しまともに盛り上げろ。ほら、次は三浦が走るぞ」

「おお、本当だ! いいぞ、いいぞ、み・う・ら~! 一組た・お・せ~! お~! ところでさ、山川。応援って言えば……行けぇぇぇ、そこだぁぁぁ!」

「応援って言えば?」

「俺、前々から女子がやってる……行ける行ける行ける! 抜かせ三浦! ぶっちぎれぇぇぇっ!」

「声援を送るか喋るかどっちかにしろ」

「あー、惜しい、二位かぁ。そうそう、あのポンポン振って応援するの、楽しそうだなって前から思ってたんだよ」

「頼めば貸してくれるんじゃないか、それくらい」

「それはそうなんだけど、あれって、どこのクラスでも似たり寄ったりだろ? 何かもっとインパクトがある応援グッズにできないかなぁ」

「うーん。大きさと色くらいしか変えようが無い気がするが、ビニール紐の色数なんて限られてるしな」

「だったらいっそ、ビニール紐以外のもので作ったらどうだ?」

「例えば?」

「騎馬戦で奪ったハチマキとか」

「首級みたいだな」

「棒倒しの乱戦のどさくさで引き抜いた、敵軍の髪の毛の束とか」

「……なんか今、芥川龍之介の『羅生門』を思い出した……」

「♪わーい、わーい、血祭りだ~!」




 ※本日の替え歌元:「うんどうかい」三越左千夫 作詞/木原靖 作曲

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