学校祭を楽しもう!~その5・文化祭当日~
「お、ここにいたのか山川! 見てくれよ、模擬店でいっぱい買っちゃった! たこ焼きにチョコバナナだろ、かき氷にじゃがバター! 忘れちゃいけないのがフランクフルト~!」
「満足そうだな、田中。人生最高の時みたいな顔しやがって」
「ふははははは、我が人生に悔い無し! そういうお前はちゃんと青春を満喫してるのか? こんなところで一人さみしく歩いちゃってさぁ」
「俺はクラス展示の当番が終わって、これから他の展示を見に行こうとしてたところだよ」
「なんだよ、強がっちゃってぇ~! 性悪が災いして一緒に回ってくれる人がいないなら、素直にそう言ってくれれば、大親友の俺が喜んで付き合ってやるのにぃ~! ほらほらぁ、『一緒に回ってください大親友の田中君』、リピートアフタミ~?」
「絡みがいつにもまして鬱陶しい。人生に悔いが無いなら今すぐ
「なんだって、奇跡を起こせって? 任せろ、三年二組のゲームセンターで最高得点を叩き出す! 『ミラクル田中』の異称を欲しいままにしてやる!」
「もはや嫌味すら脳がポジティブに自動変換してやがる」
「二年六組が多目的ホールでやってる劇、面白いらしいぞ! あと軽音楽部の音楽室ライブも! 中庭で科学部が巨大シャボン玉の実演してるから、それも行きたい! そうだ、一年三組のオバケ屋敷も敵情視察しておかないと! 模擬店もまだ回り切れてないし、ああもう、行きたいところが多過ぎる! 俺があと十人くらい増えればいいのに!」
「お前が計十一人なんて、悪夢みたいなイレブンじゃないか」
「あ、やばい、そろそろ体育館に行かないと! 急ぐぞ山川、コスプレコンテストに間に合わなくなる!」
「コスプレ? そんな企画まであるのかよ」
「こっそり山川を『あなただけの王子様★山川健悟』名でエントリーさせておいたから、きっと黒山の人だかりだぞ! 優勝賞品の『ジャンボう●い棒』は山分けだからな! 衣装とメイクは演劇部と結託して手配済みだから安心しろ!」
「ちょっとそこに直れ、田中。今すぐ鬼籍に入れてやる」
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