応急救護を習得しよう!~その2・止血法~

「最初は止血法か。ドバドバ血が出てる状態で、心肺蘇生も何もあったもんじゃないからな」

「なぁ山川、人間って、どれくらい血が無くなると危ないの?」

「約三分の一を一時に出血すると生命に関わるそうだ」

「出血した分、トマトジュースとか流しこんだら誤魔化せないかな。なんか体によさそうだし」

「いつかお前に輸血の必要がある事態が降りかかったら、輸血パックにトマトジュースをみっちり詰め込んでやるよ」

「おう、無塩無添加のやつでよろしく」

「ええと、真っ赤な血液が勢いよく噴出している時は動脈性出血で、暗赤色の血が湧き出てくる時は静脈性出血。特に動脈性は大出血の危険性が高い、と」

「青緑色の血が霧状に噴き出してくる時は?」

「逃げられないよう拘束してからNASAナサに連絡しろ」

「ちゃんと介抱してあげてくれよ、山川。友好関係を築こうぜ」

「アホ言ってないで、練習してみるか。田中、ちょっと腕出せ、直接圧迫止血法やるぞ。出血部位にガーゼを当てて、その上を圧迫する。感染の危険があるから、なるべく血液に触れないようにな」

「目には見えない不思議な力でガーゼを押さえろって? そんな、今すぐ超能力を体得しろとか言われてもなぁ」

「そんな超自然的技術は要求してない。ビニール袋を手袋代わりにするとかだよ」

「おお、なるほど」

「可能であれば包帯やタオルで固定して圧迫を続ける……よし、腕は処置しやすいな」

「はい、じゃあ次は俺の番! 山川、どこを怪我したことにする?」

「そうだな、腕や足じゃ代わり映えしないし。顔や胴体が難しそうだよな」

「山川って、腹に怪我したら真っ黒な血液が勢いよく噴き出しそうだよな。NASAに連絡していい?」

「おい、友好関係どこ行った」

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