チョークの存在価値を再認識しよう!
「ぐえぇ、ゲホッ! くあー、喉痛ぇ! 学ラン真っ白だし!」
「授業中に居眠りしてチョークをぶつけられる生徒なんて、漫画の中だけだと思ってた。なかなか良い肩してるな、先生」
「感心するなよ、山川! あれ絶対、体罰に入ると思うぞ! なんか肺に悪そうだもん! アスベストとかと同じ影響が出そうだもん!」
「授業時間と昼寝タイムを混同してる馬鹿に制裁を加えたくなるのは分かるけど、砕けたチョークって掃除が大変なんだよな」
「俺の心配は? ねぇ?」
「そう言えば、さっき相澤達がふざけて、黒板にチョークをぶつけて的当てしてたな。その片付けもしないと」
「相澤たちが原因なのに? 偉いなぁ、山川。褒めてしんぜよう。そういうことで、あとはよろしく!」
「半分はお前が原因だろ」
「違ぇよ、先生が原因だよ」
「……ところで、田中。お前、『花咲爺さん』は知ってるか?」
「え? ♪う~らの畑でポ~チが鳴く~、だろ? んでもって、枯~れ木~に花を~、咲っかせましょう~! だよな」
「そうそう。これは最先端の研究で明らかになったばかりの事実なんだが、チョークの粉と七味唐辛子と混ぜて頭に振りかけると、脳が活性化されて働きが良くなるそうだ」
「……つまり?」
「お前の頭という枯れ木に、知能という名の花が咲く」
「……」
「……」
「誰かぁぁぁ、チリトリ取ってくれ! あと、七味唐辛子持ってないかぁぁぁ!」
「そういうことで、あとはよろしく」
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