田中君と山川君(弟)~恭輔君と翔悟君~
「恭輔、きょん!」
「どうした、翔悟?」
「今日、きょんの家に遊びに行ってもいい? 一緒に宿題やろうよ」
「うん、いいよ。数学教えてくれるか? 一、二問分からなくってさ」
「うん、いいよ。俺にはどこが宿題なのかを教えてくれる?」
「どうしてお前は勉強できるくせに……」
「ケン兄は勉強だったら教えてくれるけど、宿題の範囲までは教えてくれないし」
「そりゃそうだろ。でもいいなぁ、翔悟は。健悟兄さんに教えて貰えるもんな」
「何だよ、きょんだってタク兄さんがいるでしょ、楽しいでしょ」
「楽しくないよ。馬鹿だよ」
「あー、またタク兄さんを馬鹿にする! ケン兄なんて、意地悪で冷血で腹黒で、ちょっとふざけただけでもすぐに怒るんだよ」
「兄貴はひたすら馬鹿なんだぞ。他に言うことがないほど馬鹿なんだぞ」
「もしもーし、タク兄さ~ん! きょんがまたタク兄さんを馬鹿呼ばわりしてるよ~!」
「こんなことで電話するなよ、人の兄貴に!」
「……きょん」
「? 何?」
「今まさにケン兄にも馬鹿にされてるって、タク兄さんに涙ながらに訴え返された」
「それは間違いなく、兄貴が馬鹿をしでかしたから馬鹿にされたんだと思う」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます