「や～まかわ～！　俺、今日は部活が無いから、どっかで何か食って帰ろうぜ！」

「今日は早く帰って勉強したいから却下だ。大体、部活が無いのもテスト週間だからだろ。お前こそ勉強しろよ、田中」

「はあ、勉強だぁ？　何だよ、山川の馬鹿！　クレイジー！　変態っ！」

「はいはい。華麗な蝶になりました、と」

「そんなツッコミは山川らしくねぇぇぇ！」

「何なんだよ、今日はやけに絡んでくるな」

「だって、せっかく花の高校生だってのに、毎日毎日部活三昧で、寄り道なんて全然できねぇんだもん！　中学の時は、高校に行ったら毎日帰りに買い食いするんだーって、それを楽しみにしてたのに！」

「もう少し他の楽しみを持てなかったのか？」

「いかにも男子高校生って感じだろ！　学校帰りにたらふく美味いもの食って！」

「一人で食って帰れ」

「アンミツやらクレープやらを食いながら憧れの先輩について熱くトークして！　ケーキバイキングで鬼気迫る表情を見せながら元を取ろうと必死になり！　飲み屋のオヤジに延々と愚痴をこぼしながら焼き鳥をむさぼり食って！」

「『男子高校生』が見当たらないんだが」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい