バレンタインデーに期待を寄せよう!
「山川あああっ!」
「なんだよ田中、血相変えて?」
「チョコレート」
「あ?」
「お前、今年はいくつ貰いやがった? バレンタインチョコ!」
「ああ――部活の女子から十個くらいと、下駄箱に七個、机上に五個、あと呼び出しの手紙が二、三枚。さっき押し付けられたのが、あー、いくつあったかな」
「相変わらずモテやがるな、こん畜生。俺はいまだ獲得数ゼロだよ」
「お前も相変わらずだな。今年こそお前にお恵みがあることを祈ってるよ」
「時に、山川よ」
「何だよ」
「女子からの本命チョコというチョコを独占しまくるお前に、深~い恨みを抱いている男子というのは、少なからずいると思わないか?」
「いるかもしれないけど」
「そして、その男子が例えば、チョコレートの中に青汁とか唐辛子とか果ては雑巾を絞った灰色の水とかを混入させて、一見そうとは分からないように固め、綺麗にラッピングし、お前のチョコの山の中にこっそりと混ぜておくということは、ありえることだと思わないか?」
「……」
「……」
「どのチョコだ」
「可能性があるかもしれないという話だが」
「吐け」
「可能性があるかもしれないという話だが」
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