第408話 新世界の神
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≪プロフィール・リライト≫で、ヴァルトスの≪直近のプロフィール≫を弄り、「リヴィウス神の忠実なる
ヴァルトスのステータスはさすが七十二柱の眷属の筆頭であるに相応しく、魔族だった頃の俺を圧倒していた。
だが、
わざわざ対立することで殺してしまう愚を繰り返さないためにも、このような方法を取ったわけだが、自分によくしてくれた相手をこうして傀儡のようにしてしまったことにロランは少し罪悪感を感じていた。
だが、根気よく説得したり説明している時間はもう無かった。
事態を収拾し、手を打たなければ多くの血が流れてしまうことになる。
絶対服従となったヴァルトスに、リヴィウス神消滅の事実に関する緘口令を配下に敷かせ、ロランはひとまず≪夜兎族の街≫の天魔宮に戻った。
≪
「あら、ロラン様。おかえりなさいま……」
入り口付近で庭掃除をしてくれていたフランシスの無事な姿にほっとしつつ、急いでメリュジーヌのもとに向かった。
どうやら≪夜兎族の街≫の街にも変わった様子は無いし、従属化が解けた魔族たちが暴れた様子もない。
クシナやサビーナさんを捉まえて、話を聞くことも考えたが、今は一刻も早く自分の目で確かめたかったのだ。
広い天魔宮の二階にメリュジーヌの私室がある。
「メリュジーヌ!」
ひょっとしたら、戦闘になることもあるかもしれないと気を引き締め、扉を開けるとそこには寝台の上であおむけになっているサビーナの股間に顔を
「あら、ロラン様。今、お帰りですか」
メリュジーヌはその長い舌から糸引く何かを手で拭うと何事かといった様子でこちらを見た。
「メリュジーヌ、何か変わったことはなかった? 」
「変わったこと?いえ、行為に没頭しておりましたから。何かあったのですか?」
「あっ、いや、何にも無いならいい。ちょっと、へその下見せて」
ロランは、ぐったりしているサビーナとメリュジーヌがいる寝台に近づき、従属印を確認した。
八匹の蛇が絡み合い円形を成しているような形の刻印。
以前は黒一色だったのだが、今は八匹の蛇に個別の色が割りふられ、カラフルになっていた。
形も少し変わってファンシーになった気もするが、
「ロラン様、変わったことなら、今ひとつ気が付きました。久しぶりにあったからでしょうか。なぜだか無性に、ロラン様が愛しく思えて……」
メリュジーヌが抱き着いてきて、そのまま広い寝台に誘われた。
「ああ、ロラン様。あなたは、私の神にも等しいお方……」
あとで、
メリュジーヌが今、俺に抱いている感情は、かつてリヴィウス神に向けられていた敬神であり、愛慕の情が加わったものだと思われた。
この
このふたつを上手く使えば、リヴィウス神消失後の魔族たちを混乱と破滅から救い、人と魔が共存できる新しい世界を創り出すことができると、
俺がこのカドゥ・クワーズを変革し、「新世界の神」になる。
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