第2話…なのか?
どこへ行っても砂、砂、砂。
上は雲ひとつ無い快晴。
そして…熱線を放つ太陽。
「み…ずぅ…」
喉が乾燥し、唾液も分泌されず危険な状態。
魔力さえ戻れば良い…どこか日陰のある場所に行かなければ…
「…あの岩陰が使えそうだな」
ちょうど良く少し大きい岩があった。
そこまで最後の力を振り絞って行き、そこのひんやり涼しい日陰で眠りへと誘われた…
***
「グゥ!?ウオオオ”オ”オ”ォ”ォ”ォ”!!」
少女が暑さで頭がヤラれて黄昏れながら戦闘場面を発見する少し前。
国から逃亡している少年に帝国騎士が攻撃を仕掛けた。
捨て身のタックルが決まり帝国騎士が砂山側へと追いやる。
剣を持ち一撃、二撃と振りかざす。
しかし、その全てが当たらず。逆に撃たれてダメージを負うだけだった。
「クッソオオオオオォォ!!ッ!?」
焦らされて突っ込んだ少年はそれが相手の狙いだとわからず剣を振り翳し、砂煙を巻き上げる。
そして後ろから蹴られ、今度は逆に砂山へと追い遣られた。
「あ、ああ…ウワアアアアァァ!!?」
ハンドガンを乱射するも回避すると同時に、繰り出した斬撃によって切り通されはしなかったがフレームが外れ、ケーブルで腕が垂れ下がる。
「嫌だ…俺は、まだ…まだ出会えてないんだ!!」
そして、無慈悲にも剣は振り下ろされ…機体が突然動きそれを掴んだ。
普通なら砕け散ってもおかしくはないはずなのに掴めた。
その事に帝国騎士が狼狽えた隙を的確に狙い蹴る。
コックピット部分の装甲が凹み明らかに操縦困難になっている。
《ウィザードシステム…レディ》
「え?あ…」
少年に送り込まれた大出力の電流により少年は気絶し、脳に重大な損傷が与えられた。
損傷により左目が頭から落ち、焼き切れた眼球は足元へと落ちた。そして、それを少年は踏み潰した。
『出力信号確認中』
『サイドテイルコート展開』
『全システムをウィザードシステムへリンク』
『熱暴走を確認』
『起動時間38秒』
《Ex-VW》
帝国騎士は絶望しただろう。
深紅に染まった目の前の死神が死を宣告したのだ。
誰がなんと言おうと、その死神はその帝国騎士の命を刈り取るだろう。
魔法では決して辿り着けない死を操る機械神。
HADESと名乗る組織が創り出した異世界の魔法少女専用のタルタロスが二人目のマスターを手に入れた…
魔法少女とは対なる者…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます