第434話 ささくれと、ゴム手袋と、キス
「痛っ!」
朝食のデザートの時にセレンが声を上げた。
「セレンどうした?」
「ささくれができて、果物を剥く時にしみたんです」
「傷に果物の汁はちょっと痛いよな。ポーション塗っておけよ」
「ええ、そうする。でも、ささくれができないように魔法作ってくれないですか」
ええと確かに魔法は万能だよ。
だけどささくれは難しい。
原因がまず分からない。
気づいたら出来ているってことが多い。
原因はなんだろう。
本屋に行って医学書を紐解いてみたが載ってない。
だよね。
百科事典やネットが欲しい。
せめて図書館があればな。
ささくれができてから、ささくれ切ってポーションを塗るのが手っ取り早い。
でも予防したいという気持ちはちょっとあるかも。
切っても、引っ掛かったりして、更に傷が広がったりする。
むかつくほどではないけど、なんか嫌な感じだ。
肌荒れの一種なんだろうな。
肌荒れの原因は栄養の偏り、水仕事、肌の乾燥。
こんな所か。
栄養はビタミンだろう。
野菜は足りている気がする。
セレンは水仕事しているから、これが原因かな。
となるとゴム手袋の魔法を作れば良いってことか。
乾燥は保湿クリーム。
保湿クリームの類は軟膏がある。
体にあっていい物を選べばいいな。
となると、ゴム手袋の魔法だ。
#include <stdio.h>
#include <conio.h>
extern MAGIC *rubber_gloves_barrier(void);
extern int mclose(MAGIC *mp);
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法構造体*/
mp=rubber_gloves_barrier(); /*ゴム手袋*/
while(1){ /*無限ループ*/
if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/
}
mclose(mp); /*魔法終わり*/
}
実際にゴム手袋を召喚しているわけではない。
ゴム手袋みたいな結界だ。
水と汚れを弾けば良いだけだから。
ゴム手袋魔法の魔道具はみんなに好評で、特にレクティがたくさん持っていった。
毒の調合に良いらしい。
革の手袋の何倍も良いと言っていた。
「もう、セレンとレクティばかりに優しくて」
マイラの心にはささくれができたようだ。
心のささくれはポーションでは治らない。
「こんどマイラの要望も聞くよ」
「じゃ、キスして」
「はいはい」
心のささくれはキスで治りそうだ。
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