異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第431話 スタンピードと、パワードスーツと、3分間
閑話 KAC2023で出された8のお題
第431話 スタンピードと、パワードスーツと、3分間
俺、タイトには三分以内にやらなければならないことがあった。
それは、モンスターのスタンピードを止めることだ。
目前には1万を超えるモンスター。
モンスターはバッタの形をしていた。
大きさは1メートルを超える。
中には3メートルを超える巨体もある。
羽は付いてはいるが、重いので飛べも跳べもしない。
不幸中の幸いだ。
後ろには守るべき街。
街には知り合いが多数住んでいる。
避難した人もいるが、大抵は間に合わなかった。
地下室のある家はそこでみんな肩を寄せ合っているだろう。
俺の現在の頼みの綱はパワードスーツ。
だが、込められた魔力は3分しか持たない。
この世界、魔法がある。
簡単な魔法で良いのなら。
【火球飛べ】だ。
全ての言語で魔法が使える。
おそらく文章解析のAIみたいなものが、世界システムに搭載されている。
法則はある。
【火球飛べ】こんな魔法だと効率がかなり悪い。
事細かく指示されたら、効率が良くなるのは何でも一緒。
仕事だって、細かい指示があればあるほどスムーズにいくという物だ。
【1メートルの火球を生成、風を使い飛ばせ】とかこんな具合に細かくしていくと良い。
そして、俺は異世界転生する前はプログラマーだった。
魔法がプログラムで行けるのなら、こんなのも行ける。
【
for i in range(0,10,1): # 10回ループ
print("【火球飛べ】")
】
この2行で10連弾火球だ。
効率の良い魔法、それが俺の強みだったんだが、押し寄せてくるモンスターは魔法無効。
物理のみがダメージになる。
パワードスーツは魔力で動いているが、攻撃は物理だ。
「パワードスーツ起動。派手にいくか。ミサイルパンチ」
片腕を突き出して構える。
腕は切り離され白煙を吐き出しながらモンスターに突撃。
そして、閃光が着弾点を包み込んだ。
くっ、1発じゃ駄目か。
スペアの腕を新たに付ける。
腕を付け加え何度も発射する。
駄目だ、モンスターの勢いは止まらない。
時間は?
あと2分か。
このまま格闘戦になると2分なんかあっという間だ。
死ぬのか。
俺が?
俺の最後はこんな感じか。
モンスターとの格闘戦に入った。
パワードスーツで手あたり次第殴り飛ばす。
だが、数は一向に減らない。
残りあと1分。
魔道具のタイマーが秒読みを始めた。
「10、9」
くそっ、こんな所で死ねるか。
速効で魔法構築。
【
while 1: # 無限ループ
print("【ランダム効果】")
】
パワードスーツが踊り出して、モンスターも踊る。
隕石が落下。
モンスターが笑いだする
毛虫が湧いた。
銅貨が降る。
何も起こらない。
モンスターがオナラした。
「2、1」
パワードスーツのパンチはモンスター飛ばし、そのモンスターは別のモンスターを殺す。
そして連鎖は続いて行き、モンスターを全滅させた。
全滅のランダム効果を引けたらしい。
勝因は無限ガチャ。
我ながら、良く数秒でこんなのを作れたものだ。
効果ランダムは魔法だけど、パンチの一撃は物理で、全滅するという事項は確率だ。
確率ではあり得る。
「自爆シーケンス入ります」
3分経つと自爆するように作ってあったる
ふぅ、あっ、魔法止めるの忘れてた。
全裸の女の子が現れた。
鼻血を盛大に吹き出し、パワードスーツの配線がショートした。
コックピットに煙が立ち込める。
俺は急いで外に出た。
全裸の女の子は全裸のおっさんに変わってた。
魔法を止める。
なんだかな。
興奮が一気に萎えた。
勝った喜びが、半分以下に減ったように思う。
普通、ここは女の子と抱き合ってキスする場面だろ。
おっさん、何かを期待するような目で見るな。
服と金だろ、持ってけよ。
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