第379話 水生成と、魔法に自信ありと、ウォシュレット

 魔境で欲しい水生成魔道具はどんな感じか。

 水量調節はあるとして、適度に冷えた水だな。

 20度ぐらい。

 これぐらいが心地いい冷たさだと思うが、暖かい水が嬉しい時もある。

 20度から40度まで調節可能が良いと思う。


 つまみで制御したいな。


 さて、水量調節だが、こちらもつまみが良いと思う。


 つまみが二つ必要だ。

 プログラム的には1つも2つも大差ないけど。


import magic


water_temperature = 20 # 初期値水温20度

water_volume = 10 # 初期値10ミリリットル


mp1=obj_make(30,IMAGEKNOB,HOLOGRAPHY) # ノブを作る

mp2=obj_make(30,IMAGEKNOB,HOLOGRAPHY) # ノブを作る


while water_volume != 0 : # 水量が0になると終わり

  water_temperature = magic_rotation_angle(mp1) # 水温ノブの角度を割り出す

  if water_temperature < 20 : # 20度より小さいなら

    water_temperature = 20 # 20度に設定

  if water_temperature > 40 : # 40度より大きいなら

    water_temperature = 40 # 40度に設定

  water_volume = magic_rotation_angle(mp2) # 水量ノブの角度を割り出す

  if water_volume < 0 : # 0より小さいなら

    water_volume = 0 # 水量をゼロに

  if water_volume > 100 : # 100より大きいなら

    water_volume = 100 # 水量を100に

  mp3=water_make2(water_temperature,water_volume) # 水を出す

  mclose(mp3) # 魔法終了


 こんな感じだな。

 温度と水量調整付きの水生成は流行った。

 ここまでくると普通の言語では呪文が面倒だから、誰も同じ物が作れるとは言わない。


「ねぇ教えてよ。どんな呪文ならあの水生成の魔道具が作れるのさ」


 エルフの男性に絡まれた。

 魔道具に一言いちげんあるのだろう。

 自分で作れないのが悔しいらしい。


「ループはリフトの魔法でやったよね。そのループの中にノブの制御と。水を出す機能を入れる。気を付けないといけないのは、水温と水量には限度を設けないといけない事だ」

「ふんふん、なるほどね。出来なくもないけど複雑になるね」


 そこでプログラム言語ですよとは言わない。

 これは俺の力の源だから、安易に明かすわけにはいかない。


「こうかな。【水温20度、水量0。ループ始まり。水温にノブの角度。水量にノブの角度。範囲を水温と水量の範囲を外れたら、補正。水温と水量の水を出す。ループしろ】」

「出来ていると思うよ」

「効率が悪そうだ。君の魔道具の効率どうやっても出ない」

「それは秘術だから」

「精進しろって言うんだね」


「エルフは魔法については自信がある一族なのだが、タイトには負けるな」


 クリアの呆れたような声。


「魔法には自信があるんだ」


 あるエルフが俺の水生成の魔道具を使ってウオシュレットの代用品にしやがった。

 で、生活水ではなくてウオシュレット専用を作れと言ってきた。

 水量と水温の調節を変えるだけだから、簡単にできた。


 でもどうせ温風乾燥と匂い消しも欲しいんだろ。

 それらの機能を追加して魔道具は出来上がった。


 追加したプログラムはこれだ。


mp4=obj_make(30,IMAGEBUTTON,HOLOGRAPHY) # ボタンを作る

mp5=obj_make(30,IMAGEBUTTON,HOLOGRAPHY) # ボタンを作る


while touch(mp4) == 0 # 乾燥ボタンが押された


while touch(mp4) : # ボタンは押し続けられている

  mp6 = warm_air() # 乾燥

  mclose(mp6) # 魔法終わり


while touch(mp5) == 0 # 脱臭ボタンが押された


while touch(mp5) : # ボタンは押し続けられている

  mp6 = deodorization() # 脱臭

  mclose(mp6) # 魔法終わり


 こんな感じでウオシュレットは完成した。

 もっと使い易く出来るけど、まあ良いだろう。

 バージョンアップは随時していけば良い。

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