第348話 トンネル魔法と、対処と、土コート

 トンネル魔法ということでこれを作った。


extern MAGIC *earth(float mana);

extern void magic_delete(MAGIC *mp);

extern void wall_reinforcement(MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 mp=earth(0.05); /*8立方メートルの土を魔法指定*/

 magic_delete(mp); /*土を消す*/

 wall_reinforcement(mp); /*壁強化*/

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 あとはリッツの頑張りしだいだ。

 俺はもう寝る。


 テントで寝てたところ、騒がしいので起きた。


「やったぞ。奴らを蹴散らしてやった」


 テントから出ると得意げなトレンの顔。

 そばにいるリッツも誇らしげだ。


「たぶん二度目はないな」

「明日の夜も奇襲を掛ける。リッツ頼んだ」

「トレン、任せて」


 二人は聞く耳を持たない。

 まあ好きにするさ。

 落ちは見えている。


 次の日の夜。

 ロータリは陣の場所を変えていた。

 リッツはまた掘らないといけないわけだ。


 赤外線と望遠鏡の魔道具を組み合わせて使って、ロータリの陣を見張っていたら、いきなり地面が陥没した。

 トンネルを潰されたな。

 地中の空洞を探知する魔法は簡単に作れる。

 振動や音で探知するというやり方を知っていれば良いだけだ。

 空洞の位置が分かれば潰すのは簡単だ。


 しばらくしてリッツが土まみれで帰ってきた。


「ぺっぺっ、まだ口の中がじゃりじゃりする」

「ほらな二度目は駄目だったろう」

「くそう、こうなったら空を飛んで奇襲するしか」


 空からの奇襲を思いつくところは凄いとほめてやりたいが、魔法は誘導弾もある。

 狙い撃ちされて撃墜されるのが落ちだ。

 俺なら対策も考えられるが、デコイとかを作って誘導弾をかわすとかな。


「とりあえず。頭を冷やせよ。それと、穴を掘る魔道具を返せ」

「くっ」

「返したくなさそうだな。覗きに使うつもりなのは知っている。大人しく返せよ」

「血の涙が流せるのなら、きっと流している。トンネルを潰されたより悔しい」


 俺は返却された魔道具を使ってみた。

 光が灯された。


「やっぱりな。偽物を渡すと思ったよ」

「ここまで読まれているとは」

「お前の考えていることぐらい読める」


 渋々と魔道具を返すリッツ。

 今度は本物だった。


「空を飛ぶ魔道具は貸してくれなさそうだね」

「うーん、空を飛ぶと遮蔽物がないから、誘導弾に弱い。かりに敵地に飛び込むまでできたとして。帰りはどうするんだ。飛んで帰ってくるのか。背中を晒すと追撃があるぞ」

「最強の手段とはいかないか」

「敵陣に向かって100万魔力の魔法でも撃てば簡単に殲滅できる」

「先輩がやらないのは分かっている。ディッブとロータリの戦いだからだろ」

「そうだな。少なくても俺の戦いじゃない。リッツがディッブに支援したいのは分かる。だから好きにやると良い。限られた範囲だが助けてやるよ」

「その線引きは?」

「ロータリにも可能かどうかだな。ロータリにも可能な手なら手伝ってやる」


 オーバーテクノロジーみたいなのは渡せない。

 それが俺の線引きだ。


 リッツは考え始めた。


「姿を消す魔法の魔道具は貸して貰えないよね」

「もちろん」

「土で覆ってみた目を分からなくするのはどう?」

「それなら、作ってやらんこともない」


 土を纏う魔法は今のリッツの姿だ。

 たぶん自分の姿を思って考えたのだろう。

 だが、着眼点は悪くない。


 こっそり近づくのを考えるのが上手い奴だ。


#include <stdio.h>

#include <conio.h>


extern MAGIC *earth(float mana);

extern void magic_delete(MAGIC *mp);

extern void wall_reinforcement(MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 mp=earth(0.005); /*1立方メートルの土を魔法指定*/

 while(1){

  magic_coat(mp); /*土を纏う*/

  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 こんな魔法を作ってやった。

 ほふく前進をディッブ人は嫌がらないから、この魔道具を使いながら近づけば、かなり接近できるはずだ。

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