異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第331話 麻酔薬と、暗幕魔法と、サバンナ開拓
第331話 麻酔薬と、暗幕魔法と、サバンナ開拓
アースドラゴンに追いつくと、やっぱりアースドラゴンは城壁に追突していた。
城壁は見るも無残に崩れていたが、都市を守るという役割は立派に果たしたと言えよう。
「何か手はないか」
「こういうときは麻酔薬が良いと思われます」
レクティが自信ありそうだ。
「マイラ、頼む」
「はいよ」
マイラはレクティから瓶を受け取って走った。
死角から見事アースドラゴンの傷口に麻酔薬を掛けることに成功。
さてとここからだ。
痛みは治まっているはずだ。
「【暗幕】」
こんな魔法だ。
extern MAGIC *obj_make(long obj_size_mm,int image,int attri);
extern int mclose(MAGIC *mp);
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法の定義*/
mp=obj_make(1000000,IMAGEBLACKBALL,HOLOGRAPHY); /*1メートルのボールをホログラフィで生成*/
while(1){
if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/
}
mclose(mp); /*魔法終わり処理*/
}
これで、アースドラゴンの視界を奪う。
馬とか鳥とか視覚を奪うと大人しくなる。
元来が大人しいのだからこれでいいはずだ。
「よしよし、いい子だ。今のうちに傷の治療薬を掛けるんだ」
みんなで傷口に治療薬を掛ける。
「さて、この場所から誘導したい。どうすべきだろうか」
「餌で釣るといいよ」
そうか果物が良いかもな。
リッツが駆け出して行って、背負い籠一杯の果物を持ってきた。
そして、アースドラゴンの口にひとつ放り込んだ。
アースドラゴンはもぐもぐと咀嚼した。
「リッツ、果物をひとつ握りつぶせ」
「了解、【魔闘術】」
リッツが魔闘術魔法を使って果物を握りつぶす。
そしてアースドラゴンの尾の方に走り始めた。
アースドラゴンはその匂いを追っている。
リッツ、その調子だ。
振り向いたアースドラゴンの口にリッツは果物を投げ入れた。
そして、果物を投げ始めた。
アースドラゴンは果物に誘導されて去っていった。
俺は暗幕の魔法を解除した。
ディッブ人がリッツを賞賛の目で見ている。
勇気ある行動に映ったらしい。
リッツは男を上げたようだ。
城壁の修理が始まった。
魔闘術を使う民は重機並みに力を発揮して瞬く間に城壁を元通りにした。
ディッブ人にインフラ整備をやらせたらいいな。
こんなの戦士の仕事じゃないと言いそうだ。
その証拠に戦士はひとりも修復に携わっていない。
「トレン、ディッブ人はサバンナに畑と都市を築くべきだ」
「モンスターから都市と畑を守る戦士が足りないのだ」
「支援してやる。闘貨を使えよ。戦士になれない民も闘貨を使えば戦士並だ。それに陶芸で民の魔闘術の技も上がっているはずだ」
「私にできるだろうか」
「ディッブの中に国を作って、ディッブを飲み込んでしまえ。そして民主主義国家を作るのだ」
「民主主義?」
「全員の投票で議員を選ぶ。そして議員が話し合いで政策を決めていく」
「決着がつかなかったらどうするのだ?」
「多数決で決めるんだよ」
「戦いで決めるという風習を排除したような形か。試してみる価値はありそうだ」
水生成の魔道具と、石召喚の魔道具と、闘貨を大量生産して渡した。
サバンナには牧草となる草の種が沢山ある。
水さえあれば芽吹くのだ。
草があれば草食獣を畜産できる。
糞などを肥料に加工すれば畑も出来る。
問題は肉食のモンスターだ。
これさえ、追い払えれば万事解決。
俺達はトレンが率いる開拓隊と一緒に首都を出た。
そして立地の良さそうなサバンナに居を構えた。
サバンナに水を撒くと草は3日で芽吹いて、1週間で草の絨毯になった。
カピバラに似た草食獣がやってきたので家畜にする。
キングサーベルタイガーがやって来たが難なく撃退。
都市の建築も進んでいる。
2週間でなんとか体裁は整った。
元々サバンナを放浪する民だから、野営や拠点の設置はお手のものだ。
地力はあるんだよな。
もっと豊かになって平和になってほしい。
「出来るものなのだな」
「ああ、トレンか。こういうのは継続が難しい。問題点が山ほど出てくるからな。滅びた都市の記録なんか腐るほどある」
「そういうものか。だが着実に人は集まっている」
そうなんだよな。
首都から来た人にサバンナの人が合流してきてる。
かれらは草食獣がいればその場所に来る。
放浪しなくなったディッブ人がどう変わっていくか見物だ。
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