第329話 暗殺と、警報拘束魔法と、魔闘術魔法

「気をつけろ。中級戦士が何人か暗殺された」


 ジェフトにそう言われた。


 確か前に警報魔法と拘束魔法を組み合わせた魔法を作ったな。

 こんなだった。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <conio.h>


extern MAGIC *obj_make(long obj_size_mm,int image,int attri);

extern int touch(MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);

extern void voice(char *str);

extern MAGIC *steel_bind(float mana);

extern void magic_delete(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 MAGIC *mp1,*mp2; /*魔法の定義*/


 mp1=obj_make(1,IMAGEBALL,HOLOGRAPHY); /*1ミリのボールをホログラフィで生成*/


 while(1){

  if(touch(mp1)==1){ /*ボールに触った*/

   mp2=steel_bind(10.0); /*鋼鉄で拘束*/

   voice("曲者だ! 出あえ出あえ!"); /*音声で警告*/

   break;

  }

 }

 mclose(mp1); /*魔法終わり処理*/

 while(1){

  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

 magic_delete(mp2); /*拘束魔法を消す*/

 mclose(mp2); /*魔法終わり処理*/

}


 よし、魔道具をこっちの派閥に配ろう。


「使ってくれ」


 俺はジェフトの所に持っていった。


「助かる」

「上級戦士には被害が出ないんだな」

「寝ている時でもわずかな殺気を感じたら、起きるさ。それができないから中級なんだよ」


 目を開いて寝てる奴さえいそうだな。

 そして、しばらく経ち、刺客の大半は退治されたようだ。

 というのも、被害の報告をきかなくなったからだ。

 効果がなくなって学習したとも考えられる。


「リッツ、トレンに認めてほしければ、寝てても敵に反撃できないといけないらしい」

「そんなの簡単さ。寝る前に魔法を行使すれば良い」

「魔力はもつのか?」

「起動して身に着けているだけで1万魔力増える魔道具がある」

「ああ、俺が作ったやつな」


「一部ではこれを使うと早死にするって噂があるけども。そんなことはないよね」

「悪の魔導師にならない限り平気だ」

「そんな設定がされているの? 他には条件はないよね」

「ああ、ない」


「戦士に配った警報拘束魔法は前にもらったのと同じ?」

「石で拘束するのを鋼鉄に変更している。魔力消費が高いから気をつけろ」

「それぐらいの変更なら俺にでもできる。トカラミイのところをトカイイリにすれば良いだけだから」


「リッツは魔闘術は覚えたくないのか」

「あの魔闘術魔法を教えてくれるの?」

「ああ、いいぞ」


 魔闘術魔法をリッツ達が使っているのをディッブ人がみたらどう思うだろ。

 スライダー人は魔法も使えて侮れないと分かったら儲けものだ。

 ベークが呼ばれて、C言語の魔闘術魔法から、翻訳された。


 こんな感じだ。


 【われは内包する、標準入出力規則。われは内包する、標準書庫規則。われは内包する、操作卓入出力規則。外部にありて、返答は魔法構造の魔力選択、贄はなし。外部にありて、返答はなしの循環魔法、贄は魔法構造。外部にありて、返答は数の魔法終了、贄は魔法構造。魔法の応えはなし、何も渡されず。疾く魔法開始せよ。魔法構造その名はモセ。モセは魔力選択、渡す物はなし。無限繰り返しを、開始せよ。循環魔法、魔法構造を渡せ。もし、返答があったなら、止めよ。繰り返しの終わり。魔法終了、魔法構造を渡せ。われ魔法終了せし】


「タイトと付き合っていると自分がどんどん強くなる気がする」


 ベークがそう感想をもらした。


「同志よ。金魚のフンと言われようが、構わない」

「同志よ。そこはドラゴンのフンだろう」


 どっちにしてもフンなのか。


「同志よ。魔闘術エキスパートも少しの改造でいける気がする」

「だな。ぜひ改造しよう」


 ベーク達は魔法の改造を始めた。

 C言語ほどの効率の良さはでないだろう。

 だが、一瞬でもできたら、切り札にはなる。


 魔力なら、魔道具で増やせるからな。

 スライダー人が強くなれば抑止力も上がる。

 理想とした解決策ではないが、致し方ない。

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