異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第324話 魔闘術破りと、イーサの覇権と、魔道具
第324話 魔闘術破りと、イーサの覇権と、魔道具
「俺とも勝負してもらおう」
イーサが何か自信ありげに言い放った。
「いいぜ」
俺は勝負を受けた。
「では始め」
「【魔闘術エキスパート】」
俺の体からは光が発せられた。
「ふんっ、しょせん真似しただけの力」
イーサが何かをすると俺の体から光が消え、殴り飛ばされていた。
「【完全回復】【重力球】」
「遅い」
俺はまたも殴り飛ばされた。
「仕方ない」
俺はバリアの魔道具を起動した。
イーサのパンチはバリアに阻まれた。
千日手になった。
魔法で誘導弾を撃つのは出来るけども、この勝負は引き分けでも良いと思った。
「俺は引き分けで良い」
「くっ、卑怯な結界魔法なんかに頼りやがって、仕方ない。引き分けで良い」
「勝負は引き分け」
イーサは仲間に祝福されている。
イーサの株が上がるのは癪に障るが、俺は勝敗より気になったことがある。
「マイラ、イーサが何をしたか分かったか?」
「うん、ばっちり。私の真似。魔闘術の循環を乱しただけ。たぶん魔道具だと思う」
それは上手くないな。
ディッブ人の力は魔闘術頼りだ。
これを無効化する手段を手に入れたら、ディッブ人の王になれる。
イーサの性格を考えるに暴君となる可能性が大きい。
これは不味いな。
上手くない展開だ。
「イーサが魔闘術の対抗手段を手に入れた。かなり不味いと思うんだが」
俺はトレンにそう言った。
「何だそんなことか。魔闘術の奥義に相手の魔闘術を使えなくするのがある。できるのは数人だがイーサはその方には勝てない。心配は要らない」
「そんな技があるのか?」
「魔闘術を覚えるのは幼児の時に魔力を流し込むことだ。長時間、触っていいのなら、ディッブ人なら誰にでも、魔闘術は無力化できる」
なるほど。
一瞬触っただけで無効化するマイラは凄いな。
「でも下級戦士などには有効な手だろう」
「だが、モンスターに勝てないことには話にならない。武勇は人間だけに発揮されるものではない」
イーサがトップになる可能性は、どうやら無いようだ。
魔闘術を乱す魔道具は俺にも何とか作れそうだ。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <conio.h>
extern MAGIC *disrupt_circulation(void);
extern int mclose(MAGIC *mp);
char enemy_mana[1000]; /*敵の魔力*/
void main(void)
{
char my_mana[1000]; /*自分の魔力*/
int i; /*カウンター*/
MAGIC *mp;
while(1){
for(i=0;i<1000;i++){ /*魔法拒否回避*/
enemy_mana[i]=my_mana[i]; /*敵に自分の魔力を入れる*/
my_mana[i]=0;
}
mp=disrupt_circulation(); /*循環を妨害する*/
mclose(mp); /*魔法終わり処理*/
if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/
}
}
こんな感じか。
ディッブ人と戦争になったら大量生産しよう。
だが、これで魔道具を作っても、効果が届くまでの時間がある。
常に動いていれば、役に立たない可能性がある。
イーサの魔道具も同様だろう。
魔闘術の奥義も同じだと思う。
意外と使えない道具だ。
使いどころなのだろう。
スペルブックには魔闘術破りとして、この魔法を書いておいた。
「セレン、体内に魔力を送り込んで、魔闘術を無効化出来ないか」
「なんで? 魔力を送り込むなら、石を送り込んだほうが早いよ」
「殺さないようにするためだ」
「そんな場面あるかなぁ」
「やってみろ。技はいくつあっても良い。【魔闘術エキスパート】」
「【魔力乱れろ】」
俺の体から出てた光が止まった。
セレンが持っている2点間転移のスキルは凄いな。
セレンのスキルを真似出来たらいいのに。
どういう理屈で2点間を繋いでいるかだな。
転移魔法は俺にも出来る。
だが、魔力を伸ばす時間は必要だ。
マイラの流体把握も魔法で再現が難しい。
リニアの共生スキルに至ってはイメージすらできない。
スキルを真似するということは今後の課題だな。
前にもそんなことを考えたような気がする。
実現不可能な技は挑戦のやりがいがある。
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