第255話 文化祭と、ツイ○ターゲームと、決定

 試験が終わった。

 リッツは3単位獲得。

 ベークは4単位獲得。

 一年目としてはまずまずだ。


 二人ともとりあえず、振られる危機は脱した。

 レクティの恨めしそうな顔。

 ソレノの任務を解いてやりたかったらしい。


 元締めの所のスパイなんだが、神秘魔法名で場所を検索したら、自爆したらしい。

 神秘魔法名が消えたから、変だと思ってその場所に行ったら、爆発の跡だけが残ってた。

 やってる事は元の組織のスケールダウンだが、この狂信者具合はなんとも不気味だ。


 ちなみに幹部5人の居場所は神秘魔法名で判明している。

 でも検索するとすぐに逃げられる。

 神秘魔法名でアクセスしたら分かる魔道具を開発したらしい。


 俺にもそれは作れるからな。

 暗い話題はこれぐらいにして、明るい話題を考えよう。


 そろそろ文化祭だ。

 出し物を考えないと。


「みんな文化祭の出し物をどうする?」

「先輩、カップルで楽しめる物にしたい」

「賛成だ」


 リッツとベークは示し合わせていたんだろう。

 こいつら脳内ピンク色に染まっているな。


「それいいね」


 マイラも乗ってきた。


「需要はあるかもですわ」

「私もそういうのが良い」

「カップルで体を使うのが良いと思う」


 ツイ○ターゲームが真っ先に浮かんだ。

 あれは駄目だ。

 危険すぎる。


 第一魔法の介在する要素がない。

 相性占いとかやったら、婚約者で揉める未来しか浮かばない。

 じゃんけんヘルメットぐらいがちょうど良い。

 これも魔法の介在する余地がないし、カップルが喧嘩しそう。

 普通の人だと男性の方が強いだろ。

 彼女がキレて収拾がつかないという絵面が浮かんだ。


 駄目だ。

 ツイ○ターゲームになってしまうのか。

 いや、仲良く協力プレーみたいなので、何かあるはずだ。


 協力プレーも喧嘩になるかもな。

 景品とかつけると失敗した相手を責めそうだ。


「ベスとコネクタはないのか」

「相手がいないので」

「妹よ、そこは兄妹でやりましょと言えないのか」

「気色悪い」


「アイデアは無しか。ツイ○ターゲームっていうのがあるんだけど」

「ビビっと来た。絶対それ」


 マイラの嗅覚は鋭い。

 いちゃいちゃの波動を感じ取ったらしい。


「やってみないと何とも言えませんわ」


 それでマイラとやってみた。

 無難な結果にはならなかった。

 ルーレットの馬鹿野郎。


「ハレンチですわね」

「これをソレノとプレーできるのか」

「この場にラチェッタがいれば、さっそく確かめたのに」


 二人とも欲望が、だだ漏れだ。


「決を採るぞ」


「賛成」

「賛成ですわ」

「私はちょっと」

「こういうのは得意さ」

「言っておくが、リニアの触手は禁止だからな」


「大賛成」

「決してやましい気持ちから賛成するのではないぞ。楽しそうだなと。失敗しても笑えるのが良い」

「反対、兄さんとこんなのはやりたくありません」

「妹が怖いから、反対」


 俺が反対で、賛成5、反対4だな。

 ラチェッタ次第か。


「遅くなりました」

「文化祭の出し物で決を採っている」


 俺はゲームの説明をした。

 そして、レクティ、セレン、リニアとプレーした。

 ラチェッタは顔を赤くして見ている。

 俺だって他に良い案があればそれを採用したさ。


「これをベーク様と致すのですね。賛成です」


 か細い声で賛成と聞こえた。

 神はいなかった。

 いやまだだ。

 もうやらなければ良いんだ。


「私、来た人に実際に遊んで、説明する係をやる」


 マイラが手を上げてほほ笑んだ。

 くそっ退路を塞がれた。


「それは僕とラチェッタが……ひっ」


 ベークはマイラの一睨みで黙らされた。


「では4人で交代ですわね」


 外堀も埋まっていく。

 言い出した俺が馬鹿だったんだろうな。

 いや、まだ抜け道はある。

 ルーレットを魔道具で作るんだ。

 そうすれば裏技で出目を操作できる。

 際どい恰好になるのを避けられる。


「タイト、ルーレットの魔道具化禁止」


 いやまだ手がある。

 力場でルーレットを操作するんだ。


「魔道具を下に置いて動かしても分かるから」


 そうだった、マイラのスキルは流体把握。

 力場を使うとばれる。

 魔法を唱えても一緒だ。


 仕方ない諦めるか。

 素数でも数えてプレーすれば良い。

 それならエッチな気分にはならないだろう。

 今回は完全に墓穴を掘ったな。

 とほほ。

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