異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第235話 タイト・マイラ結婚記念離宮と、食堂と、円卓の騎士
第235話 タイト・マイラ結婚記念離宮と、食堂と、円卓の騎士
タイト・マイラ結婚記念とついた建物が多い。
ついに王宮にもそれが出来てしまった。
季節は夏休み。
王宮の離れであるタイト・マイラ結婚記念離宮で過ごす事になった。
「ねぇねぇ、5人で王宮を探検しない?」
マイラがそう提案。
「マイラさん、もう少し落ち着きませんと、子供に見られますわよ」
「蜘蛛女は黙ってて」
「そんな事したら、怒られるような気が」
「セレンは気が小さいのね。そんなだとスラムでも通用しないわ」
「お腹減ったな」
「リニアは相変わらずの食い気か」
「もう」
俺をぽかぽかと叩くリニア。
「むー、そこ! いちゃつかない」
「とりあえず、騎士が食べる食堂に行こう」
俺達は騎士が利用する食堂に移動した。
「見ろよ。殺伐乙女だぜ」
「あんな子供が」
「今度手合わせを申し込もうかな」
騎士達が噂している。
マイラとリニアを見る目に怯えがあるような気がした。
大半をやっつけたのはセレンのメテオ魔法なんだけどな。
それは言わない方がいいんだろう。
リニアが10人前を平らげる。
騎士の食事量は多い。
普通の食堂の特盛だ。
それの10人前を平らげるリニアに騎士達は目を丸くしてた。
王宮の門にリッツが来た。
面会だと言うから誰かと思った。
「王宮の中に入りたいなぁ」
「そんな事言いに来たのか?」
「だって、憧れの職場ですよ」
「それよりも俺達がここにいるって良く分かったな」
「まあそこは学生の情報収集力って奴で。ああ、そうだ。夏休みの学園で、タイト先輩の事を嗅ぎまわっている奴らがいた。先輩、また何かやらかしたんじゃ」
たぶん魔導師の手下だろうな。
「どんな風体だ」
「良く鍛えられた体でイケメンな野郎なんだけど。たぶん兵士か騎士」
魔導師のタイプじゃないな。
魔導師は魔法に頼ってる。
神経質そうな学者タイプとか、ぽっちゃりオタクタイプが多い。
戦士タイプは少ない。
いないわけじゃないけど、そういう奴らはあらかた始末したような気がする。
透明腕は盗賊風だったな。
新しい魔導師の派閥かな。
「名前は?」
「褒めて下さい。そいつの名前はリジッドだよ。偶然、聞いてしまったんだよね」
リッツは怪しいから罠を疑ってしまう。
だが、演技に見えないんだよな。
俺の洞察力じゃ分からない。
とりあえずランシェに聞くか。
「お手柄だったら、王宮に彼女と一泊できるようにしてやるよ」
「ほんと? やった! 忘れないでよ」
ランシェに尋ねたら騎士にその名前の人物がいた。
でもスパイチェックはくぐり抜けている。
俺達5人は姿隠しして、リジッドの後をつけた。
仕事が終わるとリジッドはバーに繰り出した。
別におかしな所はないな。
レクティの手の者がそのバーに入る。
ドアが開けられたので、こそっと入った。
あれっ、リジッドの姿がない。
しばらくして、リジッドが奥の方から現れた。
奥に行くとトイレのドアがあるだけだった。
何だトイレに行ってたのか。
長いトイレだが、もしかして便秘か。
「タイト様、隠し扉です。きっとあるに違いありません」
レクティがそう言って、線香に火を点けた。
それを持って入念に調べる。
壁のある場所で煙が乱れる。
レンガの壁だが、隙間があるようだ。
「ここに入口があります。開閉スイッチはここら辺かと」
レクティが壁を触る。
カチッと音がして、壁に穴が開いた。
「よし、入ろう」
中には大きい丸いテーブルがある。
椅子に座っているのは全員が騎士のようだ。
筋肉質の体なので、たぶんそうだろう。
「円卓の騎士に栄光あれ」
そう言って騎士が乾杯する。
円卓の騎士ってアーサー王かよ。
まあありがちな設定だけどもな。
しばらく会話を拾う。
まとめると、ここは騎士の秘密結社らしい。
王を打倒して騎士の国を作るのが目標みたいだ。
驚いた事に魔導師と協力関係にある。
前の騒ぎで王宮に手引きしたのはこいつらだろう。
こいつらは魔導師の下じゃなくて上だと思っているようだ。
だからスパイじゃなくて、同盟者。
それも自分達が上だと思っているから、あの判別魔法に引っ掛からなかったらしい。
組織の名前が分かれば、判別の魔道具は作れる。
あとでランシェに渡しておこう。
気になったのは、決行日という言葉。
3日後だ。
この時に騒ぎを起こすつもりのようだ。
ランシェに報告しておけば間違いないと思う。
どうやら、リッツはトリックスターのようだ。
自覚があるのかは怪しいが、そういう役割みたいだな。
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