第226話 キーホルダーと、メテオ魔法と、必滅矢

「それなぁに?」


 演習旅行から、リッツ達が帰ってきた。

 お揃いのキーホルダーを着けている。

 マイラがそのキーホルダーに目を付けた。


「欲しければリッツに言うと良いよ。俺もリッツに貰ったから」


 マイラ貰えと目配せする。


「リッツ頂戴」

「はい。まだまだありますよ。他の人もどうです」

「俺は要らないな

「わたくしも要りません」

「せっかくだけど」

「パス」


 寮の部屋に戻り、マイラが貰ったキーホルダーを見たら、魔石が嵌っていた。

 やっぱりな。

 魔石の色が濃いから、魔石の圧縮をしたな。

 なかなかやる。


 魔道具を起動したらライトが点いた。

 ライトを使わせて盗聴器の魔力を補充させているんだな。

 上手い手だ。

 ライト付きキーフォルダーは便利グッズで100均にもあったなぁ。


 おも研のメンバーには囮になってもらおう。

 偽情報を部活でもらせば良い。

 これはこれで良いな。

 マイラが貰ったキーフォルダーはゴブリン農場の作業員にでも渡しておこう。


 メテオ魔法を作るぞ。


extern void magical_power_hole_make(void);

extern MAGIC *stone_make(float mana);

extern void magic_direct(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size,char *target_data);

extern void magic_move(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(int argc,char *argv[])

{

 char orbit[10]; /*軌道データ10個*/

 int i; /*カウンター*/

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/


 magical_power_hole_make(); /*穴を作り、魔力を飛ばす*/


 mp=stone_make(0.006); /*1メートルの石を作る*/

 for(i=0;i<1000;i++){ /*千回繰り返し*/

  magic_direct(mp,orbit,sizeof(orbit),argv[1]); /*目標に向かう軌道データ生成*/

  magic_move(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*軌道データ通りに動かす*/

 }

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 こんなのでどうだ。

 やってみた。

 はるか上空から1メートルほどの石が落ちて来た。

 着弾するともうもうと土煙が上がった。

 若干クレーターが出来ている。

 どの程度の高さまで可能かというと視認できる距離までだ。


 たぶん成層圏でもいける。

 人工衛星が燃えるのは見えるからな。

 ただ着弾するまでに時間が掛かる。

 落としたのがばれると振り切られたり、地下のシェルターに逃げられたりする。

 必殺まではいかないが、かなり強い攻撃だ。


 さて、必滅矢だ。


extern MAGIC *vibration_arrow_make(float mana);

extern void magic_straight(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size);

extern void magic_move(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 char orbit[2000]; /*軌道データ200メートル*/

 MAGIC *mp; /*魔法の定義*/


 mp=vibration_arrow_make(0.0005); /*40センチの振動の矢を作る*/

 magic_straight(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*真っ直ぐの軌道データを入れる*/

 magic_move(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*矢を動かす*/

 mclose(mp); /*魔法終わり*/

}


 まあ、簡単だ。

 食らった事があるので、それをイメージしながら発動する。


 真空は突破出来ないはずなんだが。

 試してみたところ真空も貫通した。

 待てよ、振動を作るだけなら、普通の魔法使いも出来るはずだ。


 それにバリアは魔力吸収機能も付けている。

 空気を震わせる魔力が無くなれば、衝撃は空気中をそんなに進まないだろう。


 空気が振動しているんじゃないな。

 じゃあ何が振動しているんだ。

 もしかして魔力か。

 魔力が振動しているのか。


 魔力の振動ならどのような魔法でも突き抜けるし、真空も突き抜ける。

 なるほどな。

 これが必滅矢の正体か。

 振動の矢を作るんじゃなくて、魔力で出来た振動の矢を作るというのが正解か。


 そして突き抜けた魔力振動の矢は破壊をもたらす。

 追尾機能なんかつけたらもっと強いだろう。

 応用の利きそうな魔法だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る