異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第222話 デートと、リッツのデートと、男の約束
第222話 デートと、リッツのデートと、男の約束
今日は授業が午前中だけなので、放課後に4人とデートだ。
「どこに行く?」
「服を見たい」
マイラの提案。
「みんなもそれで良い」
みんな頷いた。
よし、ぱあーっと使おう。
服を買ってあげちゃうぞ。
有名店を片っ端から梯子した。
服はもう良いだろう。
「次は魔道具が見たいですわ。オルタネイト以外の工房のをお願いします」
「敵情視察だな。俺も魔道具は興味がある」
入った店の人間はレクティを知っていたらしい。
入ってくるなり、店員の顔が引き
「全部の種類を一つずつくれ」
俺がそう言うと、商売敵なのに店員の顔がほほ笑んだ。
そしてどんな顔して良いのか分からない複雑な顔になった。
「どこに届けますか?」
「魔法学園の寮に届けてくれ」
散財も必要だ。
オルタネイト以外の魔道具工房にも頑張って欲しい。
独占は面白くないからな。
ライバルが強い方がやりがいがある。
一応商品の説明を一通り聞いた。
性能はプログラム的魔法に敵わないのは分かっている。
知りたいのは機能だ。
何か特別な機能があると嬉しい。
「次はお土産というか、庶民的な小物が見たいな」
「ええ、そうね」
リニアとセレンの提案だ。
小物が置いてある店を次々に回る。
4人が気に入った素振りを見せた物は俺が買ってあげた。
だいぶ店を回ったな。
少し疲れた。
ちょうど3時頃だ。
行きつけの喫茶店に入る。
リニアに10人前の料理を頼んで、俺達はお茶請けに、パウンドケーキみたいなのを頼んだ。
「王都中の店を回った気分だな」
「隠れた名店はともかく大体回ったと思う」
「そうですわね。知られている店は回ったと思います」
「レクティさんは物知りですね。庶民が行くような店も知っているなんて」
「料理店なら任せて、特に大盛りの店は網羅しているから」
「裏の店に行きたい時は声を掛けてね。教えてあげる」
「裏の店は興味がありますね」
「二人とも裏の店は辞めておけ。ろくでもない品物ばかりなんだろ」
「盗品もあるわよ。品質は保証するわ」
「へぇ、品物の売りも出来るのかな」
「リニア、知りたいの?」
「盗賊をいくつかぶっ殺したけど、売れない品があるのよね」
「どんな?」
俺は聞いた。
「貴族が殺しにくるような奴とかね」
「そういうのは穏便に貴族に引き取ってもらったら良いんじゃないか」
「やつら、盗賊に盗まれた事実を抹消したいのよ。普通に売りだしたら口封じが来るのよ。1回懲りているから」
「オルタネイトなら穏便に方をつけられますよ」
「レクティの所に借りは作りたくないなぁ」
「マイラになら良いんだ」
「そういう所でマイラの紹介で売ると、マイラの顔が立つでしょ。借りにはならないわ」
「俺の伝手でなんとかしてやるよ。王家の影なら文句は出ない」
「タイトがやってくれるなら、お願いするわ」
「頼まれた」
休みも取れたので、店を出る。
次はどこに行こうかと考えて歩いていたら、街でリッツと出会った。
ソレノと違う女を連れている。
それも3人だ。
彼女にしようと考えているのかな。
普通に考えたら星崇拝教団の人間だろう。
リッツもこちらに気づいた。
こちらの方向に歩いてくる。
「奇遇だな」
「奇遇って事もないと思うよ。同じ街に住んでいるんだから」
俺がそう言うと、リッツは何気ないふうに返した。
「そちらもデートかな」
「違うよ。ソレノには言わないで。掘り出し物があるんで、買い物につき合ってもらっただけだから」
少し焦った様子のリッツ。
「どういう経緯で知り合ったのかな。彼女が欲しい時は女のあてなんかなかったのに」
「嫌だな。疑っているんですか。鍵を買った人に文句を言ったんだ。そしたら、彼女達を紹介されただけだよ」
「ふーん。邪魔したな。女遊びもほどほどにしとけよ」
そう言ってから、リッツと別れた。
嘘くさい話だな。
確かにリッツと彼女達は物をいっぱい持っている。
買い物につき合ってもらったのは嘘じゃないようだけど、なんか引っ掛かる。
分かった。
買った品物を、見た事がないんだ。
どこの店の物とも違う。
おそらく一点物か、細々とやっている工房の物だろう。
リッツのお金でそんなのが買えるか。
買えたから、掘り出し物と言ったんだろうが、そんな上手い話があるかな。
まあ別に良いか。
「リッツが鍵を買った人物は特定されていません」
そうレクティいう。
「ソレノが尋ねたらペラペラと喋りそうなんだけど」
「男と男の約束だそうです」
なんだかな。
俺には何が嘘で何が本当かは分からない。
だが、表裏が無い様なリッツがソレノに嘘をつくとは思えない。
リッツは怪しいが、罪に問えるほどじゃない。
泳がせておくべきだな。
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