第201話 リストの魔法と、近況と、魔道具のデコ

 リストを作る魔法を考えてみた。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


char list[2000];

list_add(int *i,char *s)

{

 while(*s !='\n'){

  list[*i]=*s;

  s++;

  *i=*i+1;

 }

 list[*i]='\n';

}


void main(void)

{

 FILE *fpi; /*まずはその場所の情報を得るために入力の定義*/

 int i; /*カウンター*/

 char s[256]; /*読み込み用の領域*/

 i=0; /*カウンター初期化*/

 system("dir > temp); /*その場所の情報を得る*/

 fpi=fopen("temp","r"); /*仮ファイルを開く*/

 while(fgets(s,256,fpi)!= NULL){ /*得た情報の一行*/

  if(s[0]!='<'){ /*先頭を場所かどうかチェック。データが場所なら何もしない*/

   list_add(&i,s); /*リストに追加*/

  }

 }

 fclose(fpi); /*ファイルを閉じる*/

 system("DEL temp"); /*仮ファイルを消す*/

}


 こんな具合だな。

 リストを魔石に書き込む様にすれば完成だ。


 自動迎撃の魔法の頭にこれを付ける。

 コマンドで登録か起動か分ける事にした。


 よし、元締めの所に売りに行こう。

 元締めの執務室は金ぴかの物で溢れていた。

 相変わらずの成金趣味だ。


「邪魔するよ」

「久しぶりだな」

「虫とかネズミとか撃退する魔道具を作った」

「それはまた、流行りそうだな。野営とかに持って行ったら活躍しそうだ」


 野営に持って行くのは考えなかった。

 蚊とかに効きそうだな。

 ああ、蚊なら、紫外線に寄ってきそうだ。

 敵味方を識別するのではなくて、紫外線で集めて、30センチぐらいの範囲を電撃するとかが良いかもな。

 後で考えてみるか。


「そうだね。ところで噂の方はどうなっている」

「一人歩きしているぜ。感染する呪いとか違う噂になっていたり、尾ひれがついている。魔導師から、病気がうつるなんて噂もある」


 魔導師が排斥されるのは、上手くない気もする。

 治療の一端を担っているからだ。

 完全回復の魔道具を作って、医者に売る事が出来たら良いんだが。

 現状では無理だな。


「魔道具の売り上げはどんな具合?」

「魔法陣製品に押されてはいるが、まだ美味しい商売だ。なんとか住み分けは出来そうな感じだな」


「何か問題はある?」

「分かっていると思うが、魔道具の材料は魔石だ。魔石は石の名前が付いてはいるが、モンスターの体の中に出来るから、脆い。傷がつき易い。傷が付くと魔道具が壊れる。高級品の魔道具はがわをつけているが、これが手間だな」

「魔法でがわを作れって事ね」

「大量に作れると嬉しい」


 魔法は召喚魔法だ。

 石とか金属は簡単に出てくるが、純度が問題だ。

 鉄とかでも不純物が混ざる。

 そうすると見栄えが良くない。

 モンスターに当てて殺すのなら問題ないが、商品として売るにはちょっとよろしくない。


 精錬した金属を召喚して使えば問題ないが、コストは上がる。

 それに複雑なデザインだと、魔法では再現できない。


 ああ、そうだ。

 スマホをデコレーションするのが流行った事があったな。

 あれは簡単なパーツを貼り付けていく。

 カットした人工宝石とかは無理だが、ハート型や星型のパーツなら簡単に作れる。

 自分で飾り付ければ良いんだ。


 土台の魔道具はスマホみたいな形にする事にした。

 これは木とか、精錬した安い金属で作る。

 貼り付けるパーツを高級なのは真鍮と銀で作った。


 試作品があっという間に出来上がった。


「なかなか良いじゃないか。自分で作れるってのが良い」

「パーツと土台は魔法で大量生産できるから、それを魔道具にしておくよ」

「すまねえな。これで魔法陣製品の一歩先を行けるってもんだ」

「魔法陣製品もデコレーションするかもね」

「あっちは安さが売りだから、デコレーションするとその利点がなくなる。たぶん出来ないだろう」


 お土産に、パーツと土台を貰ってきた。


「うわっ、これは何?」


 持って帰ったお土産にマイラが早速食いついた。


「魔道具を飾り付けて自分だけの物を作るんだ」

「面白そう」


「あら、素敵ですね。宝石はないのですか」


 レクティがそう言った。


「庶民の遊びだからね。火点けの道具に金貨が飛ぶような物をつけても」

「なるほど。ですが、流行らすなら貴族や有名人をターゲットにしませんと」

「そういうのは、オルタネイト伯に考えさせるさ」


「わぁ、サイリスも飾ってみようかな」

「素敵ですね」


 リニアとセレンにも好評だ。

 これは流行るな。

 我ながら良い事を考えついたものだ。

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