第200話 開票と、ハウスキーパーと、自動迎撃

 今日は生徒会選挙の開票だ。

 心配はしていない。

 カソードの勝利は揺るがないからだ。

 出口調査でもそうなっている。

 問題は魔導師の諜報部隊だ。

 何を探りたいのやら。


 思いつく事柄はいくつかある。

 だが、ヒントすら与えてないはずだ。


 開票結果はやっぱりカソードの勝利だった。


「おめでとう」

「ハウスキーパーの手配は助かったよ。あんな手に出てくるとは思わなかった」

「家事に困っている学生が、多いって事かもな」

「たしかに部屋が汚い奴は多い」


「家事を教える催しとか開いたらどうかな。魔法で掃除とかやると訓練にもなって楽しいと思う」

「なるほどね」


「料理も魔法が使えるんじゃないかな。食材の調理から生ごみの処理とか。鍋を綺麗にしたりとか」

「そうだね、どこかのクラブに予算を渡して研究させても良いかもな」


 やつら次はどんな手でくるかな。


「ハウスキーパーの派遣ですけど、オルタネイトで本格的にやる事にしました」


 レクティがそう言った。


「ほどほどにな」

「密偵は少数ですよ。バリアブルの難民が沢山いるので職業の斡旋の一環です」

「あそこの産業は一度潰れたからな。立て直すには時間がかかるだろう」


 学園でハウスキーパーの事業を始めるらしい。

 オルタネイト伯は金になりそうだとすぐに食いつくな。

 さすが、領地を経営している人は違う。

 選挙の時に連絡先を配っていたらしい。


 新入生も落ち着いたと思ったらネズミが大発生。

 オルタネイトのハウスキーパーが大活躍。

 でもネズミは減らない。

 もしかして、使い魔か。


 こいつら、魔導師の使い魔かもしれない。

 前に猫と感覚を共有した事がある。

 ネズミとそれをしているのか。


 この侵入を防ぐのは面倒だな。

 そうだ、自動攻撃システムを作ろう。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <string.h>



extern void time_wait(long time_ms);

extern void thunder_attack(char *str);


int friend_check(char *str)

{

 int i; /*カウンター*/

 char name[4][256]={"味方の神秘魔法名1",

 "味方の神秘魔法名2",

 "味方の神秘魔法名3",

 "味方の神秘魔法名4"}; /*味方の名簿*/


 for(i=0;i<4;i+;){ /*情報をtempに送る*/

  if(strcmp(name[i], str)==0) return(1); /*名前が一致すれば味方*/

 }

 return(0); /*一致しないので敵*/

}

void main(void)

{

 FILE *fp; /*ファイルポインタ ファイルを読み込む時の情報が入る*/

 char str[256];


 while(1){

  system("dir > temp"); /*情報をtempに送る*/

  fp=fopen("temp","r"); /*tempファイルを開く*/


  while(fgets(str,256,fpi)!= NULL){ /*読み込みと全体の終了判定*/

   if(friend_check(str)==0) thunder_attack(str); /*味方で無い者を攻撃*/

  }

  fclose(fp); /*ファイルを閉じる*/

  system("del temp"); /*仮データを消す*/

  time_wait(60*1000); /*1分待つ*/

 }

}


 こんな感じでいいだろう。

 電撃は極小をイメージした。

 設置してみた。


「これいい!」


 マイラが大喜びだ。


「そうですわね」

「いい発明ね」

「もっと早く欲しかった」


 レクティとリニアとセレンにも好評だ。


 なんでこんなに好評かというと、虫が入って来ないのだよ。

 リストにない人間が入ってきてもばちっとやられて不快なだけだ。

 虫は死ぬ。

 ネズミは死ななかったが電撃に追い払われて家に侵入出来ない。


 味方のリストを魔石に書き込んで使えば、汎用性はあるが。

 神秘魔法名の存在を民衆に知られるのは不味い。

 これを回避するには、リストを作るのを自動化すれば良いだろう。

 部屋の中に関係者を集めて一回魔道具を起動すれば、登録完了てな具合だ。


 後で売り出すとするか。

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