第170話 リラ大暴れと、エリアヒールと、実験の失敗

 雄叫びが聞こえた。

 絶叫も聞こえる。

 現場に行くと仮面の男が5人いて、生徒も5人いる。

 仮面の男の1人は手足をもがれていた。

 凄惨な殺し方だ。


 リラは今まで、ほとんど殺しはしなかった。

 リラが生徒に手を掛ける。

 腕をもぎ取って生徒を投げ飛ばした。


 俺は生徒に駆け寄り、完全回復魔法を掛けてやった。

 それからリラは嵐のように暴れまくった。

 だがなぜか俺とマイラには攻撃しない。


 興味が無くなったのかリラは去って行った。

 リラを追いかけるより生徒の回復が先だ。


 こんな時の為の魔法がある。

 エリアヒールだ。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <string.h>


void perfect_heal(chr *name)

{

 FILE *fp; /*体の定義*/

 char name_buf[5+200+5+1+200+5]; /*名前やコマンドを構成するバッファ*/


 strcpy(name_buf, name); /*神秘魔法名をコピー*/

 strcat(name_buf, ".bbak"); /*拡張子を付ける*/


 fp=fopen(name_buf,"r"); /*体のバックアップを読み込みモードで開く*/


 if(fp==NULL){ /*体のバックアップなし*/

  fclose(fp); /*閉じる*/

  return; /*体のバックアップなかったので回復しない*/

 }

 fclose(fp); /*閉じる*/


 strcpy(name_buf,"copy "); /*『copy 』を入れる*/

 strcat(name_buf,name); /*神秘魔法名をコピー*/

 strcat(name_buf,".bback "); /*拡張子を付ける*/

 strcat(name_buf,name); /*神秘魔法名をコピー*/

 strcat(name_buf,".body",); /*拡張子を付ける*/

 system(name_buf); /*体の完全回復*/

}

void main(void)

{

 FILE *fp; /*ファイルポインタ ファイルを読み込む時の情報が入る*/

 char str[200]; /*読み込むバッファ 要するに読み込んだデータを置いておく所*/


 system("dir > temp"); /*この場にいる全員の情報をtempに送る*/

 fp=fopen("temp","r"); /*tempファイルを開く*/

 while(fgets(str,200,fp)!= NULL){ /*ループと読み込み 終わりかどうか判別する*/

  perfect_heal(str); /*体の完全回復*/

 } /*ループの終わり*/

 fclose(fp); /*ファイルを閉じる*/

 system("del temp"); /*仮データを消す*/

}


 ふいー、間に合った。

 奇跡的に生徒には犠牲者はいない。

 エリアヒールだったので仮面の男達も回復したが、呆然としていたのでマイラがサクッと排除した。

 リラの後を追う。

 樹が滅茶苦茶に倒されているので、行先は分かった。

 どうやら今のリラは樹が敵に見えるらしい。


 リラが唸って立っているのが見えた。

 周りには仮面の男達30人ぐらいの死体。


 リラは唸っているが、不規則な唸り声だ。

 ランダムに唸っているという感じだろうか。


 助けるにはリラから色々と分離しなければならない。

 それには魔法を受け入れるという承諾が必要だ。


 対応を間違えたか。

 もっと早く話し合うべきだったか。

 たらればを言うのは辞めにしよう。

 今は全力を尽くすだけだ。


「マイラ、仮面の男達がまだいたら、始末を頼む。俺はリラを何とかする」

「死なないでね」

「死ぬものか。俺は魔王だぞ。人体改造されたもどきには負けない」

「うん」


 俺の推測が間違ってなければ、リラは魔王化計画の犠牲者だ。

 魔王を人工的に作り出す実験で作られた。

 そもそもの発端は、魔導師のサージが実験体として魔法学院の生徒をさらった事から始まる。

 実験は失敗して、俺はさらわれた生徒が死んだと思ってた。

 生きていたんだな。


 どんな目にあったのかは大体想像がつく。

 リラには魔獣の肉体と魂が埋め込まれている。

 いや、共生していると言った方が正しいか。

 やはり、実験は失敗らしい。

 リラはもう限界なように思える。


 サイリスには可哀想だが分離して魔石に納まってもらおう。

 もはや猶予はないと思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る