第168話 魂の分離と、襲撃と、感覚

 さてと、立っているのも暇なので、リラを救うための魔法を構築しましょうか。

 サイリスとリラの神秘魔法名は分かっている『カクンスニト』と『リニミイチス』だ。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

char magic_stone[1000]; /*魔石1000立方ミリ*/

void main(void)

{

 FILE *fp; /*体の定義*/

 int i; /*カウンター*/


 system("md カクンスニト"); /*魔石をサイリスに*/

 system("cd カクンスニト"); /*サイリスの中へ移動*/

 fp=fopen("カクンスニト.body","wb"); /*サイリスの体を魔石で作り始める*/

 fwrite(magic_stone,1000,1,fp); /*魔石で体創造*/

 fclose(fp); /*閉じる*/


 system("cd .."); /*一つ上に*/

 system("move リニミイチス/カクンスニト.soul カクンスニト"); /*リラの中のサイリスの魂を魔石に移す*/

}


 これでサイリスの魂は魔石の中に入るはずだ。

 サイリスの手足は後から作る。

 目も耳も声をだ。

 ついでに味と匂いも追加するとしよう。


 魂さえ分離できればリラの体の治療も何とかなる。


 むっ、警報装置からメッセージが送られてきた。

 モンスターかな。


「マイラ、お客さんだ」

「了解」


 警報のあった場所に行くと白い仮面の奴らがいた。

 こいつら、ゴキブリのごとく出てくるな。


 俺は電撃魔法で手っ取り早く片付けた。

 マイラは周囲を警戒している。

 俺はまだ息がある仮面の奴らに止めを刺した。


 死体はそのままにしておく。

 仮面を被った怪しい死体があれば、盗賊の一味だとみんな思うだろう。

 誰か発見しても大騒ぎにはならないはずだ。

 野営地に帰ると、リラが待っていた。


「何かあった?」


 真剣な顔で聞くリラ。


「顔の白いネズミが出ただけだ」

「悪いネズミちゃんね」


 そう言うリラの顔は怒りで歪んでた。

 その怒りは誰に向けられたものだろうか。


「出てくると知ってたか」

「何の事かなぁ」


「惚けやがって、このキメラ女が!」


 マイラが短剣を抜いた。

 リラの顔には悲しみがある。

 この感情も誰に向けられたものなのか。


「マイラ、よせ」


 まだ、リラの最後通牒を突きつける時期じゃないと思う。

 リラが自分のマットに寝転がり毛布を被った。

 俺達は見張りに戻った。


 サイリスの手足を作らないと。

 魔石で出来ている生命体に血など流れていない。

 流れるのは魔力だけだ。


 サイリスの手足は、魔道具で作る。


extern void golem_walk(void);

void main(void)

{

 golem_walk();

}


 この魔法で魔道具を作ってサイリスの魔石と繋ぐ。

 サイリスがこの魔道具を起動すれば歩けるだろう。

 方向転換や色んな動作の魔道具を付ければ、より動物らしい動きになる。


 ジョイント付きの体を作ってやらないとな。


 知覚はどうするかだが。


char taste; /*味*/

char main(void)

{

 return(taste); /*味を返す*/

}


 こんな簡単な奴で何とかなるだろう。


 感覚を感知する魔道具は前に作った。

 あれで目の代わりになるけど、作り込むならこうかな。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


char sight[100][100]; /*視覚*/

void main(void)

{

 FILE *fp; /*感覚の定義*/

 int x,y; /*横と縦のカウンター*/

 fp=fopen("カクンスニト","w"); /*出力をサイリスに指定*/

 for(y=0;y<100;y++){

  for(x=0;x<100;x++){

   fprintf(fp,"%c",sight[x][y]); /*視覚を出力*/

  }

  fprintf(fp,"\n");

 }

 fclose(fp);

}


 こんな具合でいけるだろう。

 常時動かすなら、無限ループにでもしとけば良い。

 とにかくできるはずだ。

 問題は知能がどれぐらいかという事だけだ。

 だが、野生の本能は馬鹿にできない。

 案外うまくやるかも知れない。

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