第126話 司令部と、奇襲作戦と、武器の魔道具

 浮遊する板に乗ってオルタネイト領に入った。

 ランシェの書付けを見せると、司令部に通してくれた。


 軍議の途中だったらしい。

 こいつ誰という顔でみなが俺を見る。


「紹介しよう。娘の婚約者のタイト君だ。ほとんど末席だが、継承権もある」


 オルタネイト伯が俺を紹介してくれた。


「タイトです。ところでバリアブル城の軍はどれぐらいいると思います?」

「タイト君が吉報を持って来てくれたようです。そう言ったという事は本陣に奇襲を掛けるんだね」


 嬉しがっているオルタネイト伯。


「無理だ。トンネルも峠も守りは硬い」

「死にに行くようなものだ。我々は敗残兵で討ち死にも恐れはしないが、犬死には勘弁してもらいたい」

「そうだ」

「そうだ」


 誰一人として賛成する者はいない。


「私が兵を出そう」


 オルタネイト伯は例外だったな。

 兵を貸してくれるらしい。


「では、私はこの勇敢な者と作戦会議をする。よろしいかな」

「あなたの兵だ。好きにするさ」


 オルタネイト伯と二人になった。


「作戦を聞かせてくれ」

「魔の森の方向から攻める」

「なるほど、予期しない方向から攻めるのは理にかなっている」

「もう地図は出来ているんだ」

「用意がいいね。千人もいればいいかな」

「十分だよ」


「お父様、見事、敵陣に討ち入って参りましょう」


 レクティが入って来てそう言った。


「無理をするなよ。可愛い娘に死なれると心が痛む。せめて孫の顔を見せてからにしてくれないか」

「お父様ったら。では、行ってまいります」


 与えられた兵士を確認する。

 軽歩兵だな。


 騎兵よりも機動力に欠ける。

 重歩兵より防御力に欠けるが、素早い。

 関係ないがな。

 浮遊する板の魔道具を放出した。

 こんな事もあろうかと、たくさん作っておいたのだ。

 機動力はこれで確保できた。


 攻撃力を何とかしたいが、攻撃の魔道具は作りたくない。

 だが、これも運命か。

 身内の不始末だから、俺が痛みを背負わないでどうする。


 電撃と火球の魔道具を作った。

 この魔法だ。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


extern MAGIC *obj_make(long obj_size_mm,int image,int attri);

extern MAGIC *fire_make(float mana);

extern void magic_straight(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size);

extern void magic_move(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 char orbit[2000]; /*軌道データ200メートル*/

 char ans;

 MAGIC *mp; /*魔法の定義*/


 mp=obj_make(200000,IMAGELINE,HOLOGRAPHY); /*線のホログラフィを作る*/


 scanf("%c",&ans); /*決定を入力*/

 mclose(mp); /*魔法終わり*/

 if(ans =='Y'){ /*撃って良いか判断*/

  mp=fire_make(0.00005); /*20センチの火球を作る*/

  magic_straight(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*真っ直ぐの軌道データを入れる*/

  magic_move(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*火の玉を動かす*/

  mclose(mp); /*魔法終わり*/

 }

}


 これは火球の魔法だが、ホログラフィで線が出る。

 レーザーポインターみたいなのが出るわけだ。

 そして、イエスだと火球を発射。

 ノーだとキャンセル。


 下手くそにも対応している。

 フレンドリーファイアも減るだろう。

 魔道具にしたが、消費魔力も少ないので、かなりの数撃てる。


 武器にはこの際だ、目をつぶろう。

 さあ、準備は整った。

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