第103話 飛行と、アクセルと、車の代わり

 姿隠しして街道を飛ぶ。

 転移魔法は視界にある所までしか跳べない。

 飛ぶというのは浮かした板に乗ってそれを飛ばしているのだ。

 姿隠しして、空を飛んでいれば気づかれる確率も減る。


 ダイナからは、姿隠しを使っても気配で分かると言われた。

 マイラも同感らしい。


 空ならば意識が向かないだろうとの事。


 作った魔法は約10メートル進む毎に軌道修正が可能だ。

 速度調整も出来ないし、ブレーキも付いてないが、こんな所で勘弁してほしい。

 人が一人乗れる板ならば姿隠しの範囲内だ。

 まあ見えていても、視線を上に向けない限りは大丈夫だ。


 この板、マイラとダイナは簡単に乗りこなしている。


 レクティは慣れるまで少し掛かったが、問題はない。

 俺は軌道を変えるのは問題なかったが、着地にいつも失敗する。


 仕方ないので、エアクッションの魔法を作って加える。

 これで停まった時にエアクッションが優しく受け止めてくれる。

 これで完成版としたい。


「風が気持ちいいね」

「空を飛ぶなんて経験は、なかなか出来ないですわ」

「こんなに速いのなら、エレクにすぐ会えそうです」


 空の旅は好評だ。

 不評でも断行するが。


 王都の周辺を抜けると、風景は田園から、段々と木々が多くなっていく。

 モンスターも沢山現れた。

 姿が見えないので、襲い掛かってくる奴は居なかったが。


 木が多くなったので街道沿いに進む。

 軌道修正を10メートルと設定したが木にぶつかりそうなので1メートルとする。

 これは運転が大変だ。

 ピーキーすぎる。

 アクセルが必要だ。


 スライドスイッチは前に作ったので、それを組み込む。


 それがこれだ。


#include <stdio.h>

#include <conio.h>


extern MAGIC *stone_wall_make(float mana);

extern MAGIC *air_cushion_make(float mana);

extern int mclose(MAGIC *mp);

extern void magic_straight(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size);

extern void magic_move_lift(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size,int height_cm,int gas_pedal);

int slide_touch(MAGIC *mp);

MAGIC *obj_make(long objsize,int image,int attri);

extern void magic_delete(MAGIC *mp);

extern void time_wait(long time_ms);


void main(void)

{

 MAGIC *mp,*mp_sw; /*魔法定義*/

 char orbit[10]; /*軌道データ*/

 int gas_pedal=0;


 mp_sw=obj_make(10,IMAGEBLOCK,HOLOGRAPHY); /*スライドボタン生成*/

 mp=stone_wall_make(0.003); /*石の板を作る*/

 while(1){ /*無限ループ*/

  gas_pedal=slide_touch(mp_sw); /*スライドボタンに触った位置を取得。触ってないは0*/

  magic_straight(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*軌道真っ直ぐ*/

  magic_move_lift(mp,orbit,sizeof(orbit),100,gas_pedal); /*石の板を2メートル浮かして動かす*/

  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

 magic_delete(mp); /*板を消去*/

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/


 mp=air_cushion_make(0.003); /*エアクッションを作る*/

 time_wait(60*1000); /*一分待つ*/

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 アクセル付きの、最後はエアクッションだ。

 これで完成だな。

 やる事リストの車みたいな物を作るが達成された。


 街道は山間やまあいを進んで行く。

 バリアブルに初めて来たが、盆地なんだな。

 こりゃあ、天然の要塞だな。

 バリアブルから攻めるのは難しいが、守るのは容易い。

 ただし、封鎖はし易いな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る