異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第89話 転移魔法と、帰って来たダイナと、婚約
第89話 転移魔法と、帰って来たダイナと、婚約
とりあえず、誘導弾だな。
馬車からこそっと誘導弾を撃ってみた。
転移魔法で距離を取られ、魔法で相殺された。
そうなるよな。
再び仮面の男が近づく。
「魔法使いがいますね。出て来なさい」
出て行くのは嫌だな。
嫌がらせしてやるか。
どうせ逃げられるだろうけども。
暴徒鎮圧用の吸い寄せる重力球を魔道具で発動。
「むっ、吸い寄せられる。【転移魔法】。なぜだ? なぜ魔法が発動しない?」
俺が聞きたいよ。
何でだろ。
暴徒鎮圧用の重力に盗賊達も吸い寄せられて、人間の団子が出来上がった。
俺はとりあえず馬車から降りる。
「降伏すれば命はとらない」
「誰が【太陽火球】。【転移魔法】」
攻撃すれば重力が解除されるとでも思ったのかな。
残念、魔道具による発動だ。
バリアの魔道具を発動して火球を防ぐ。
「無念」
仮面の男は毒を飲んで死んだようだ。
慌てて駆け寄ると仮面の男が持っていたスペルブックが背表紙から燃え始めた。
勿体ない。
俺は重力球を解除するとスペルブックの火を消した。
燃え残ったのは開いていたページだけだった。
そこに書いてあったのは『二つの空間を入れ替えたまえ』だけだ。
空間転移ってこれだけ。
こんなので発動するわけがないだろう。
騙された気分だ。
盗賊達は何が起こったのか事態が把握できないのか。
抵抗もせずに捕まった。
どうやら、伝説の空間魔法使いが死んで敵わないと諦めたようだ。
スペルブックの呪文が正しければ二つの空間を入れ替えれば転移が可能だ。
extern void teleport(char *space1,int space_size1,char *space2,int space_size2);
char space1[40000]; /*空間の定義*/
char space2[40000]; /*空間の定義*/
void main(void)
{
teleport(space1,sizeof(space1),space2,sizeof(space2)); /*転移*/
}
ええと、捻りも何にもない、さっきの呪文をプログラムに起こしただけ。
これで転移が可能のはず。
人間をいきなりは怖いので、石ころを転移させてみる。
石が消えて、少し離れた所に現れた。
何だ簡単じゃん。
でも前に言っていたよな。
外の魔力をプログラムした時に、それを把握できて移動できるわけがないと。
これも同じか。
空間を把握するのは特別な才能が必要なのだと思う。
でもプログラムならデータとして扱える。
扱えるなら把握していると言う事なのだろう。
こうして、簡単に盗賊退治は終わった。
空間魔法使いの正体は見当がついている。
太陽火球を使うのは魔導師だ。
たぶん魔導師の一人だろう。
寮に帰ると、ランシェがやって来て俺の肩を叩いた。
「でかしたのである。捕まえた盗賊と反貴族レジスタンスが繋がっていたのだ」
「へぇ、正反対なのにな」
「いや共通点ならあるぞ。平民の犠牲者を出さないというな」
「貴族嫌いか。過去に貴族に酷い目に遭わされた奴の仕業だな」
「黒幕はそうだろう。ところで褒美は何がいい?」
「お金で」
「よろしい。用意しておく。それとは別に。入って来い」
入って来たのはダイナだった。
「ダイナさん」
「今回、反貴族レジスタンスを壊滅させるのに功があって、褒美をと言ったら、そなたの警備をしたいと。もてもてであるな」
「いや、もててるのは、猫のエレクだろう。ダイナさんの他にも女生徒が可愛がりに来るし」
「そうか、まあ良いのである」
「ダイナさん、よろしく」
「こちらこそ」
そう言いながら、ダイナはエレクの動きを目で追っていた。
触りたいのだろう。
「触っていいよ」
「では遠慮なく」
ダイナはエレクに駆け寄って抱き上げた。
「寂しそうなのである。母が触ってくれようぞ」
「遠慮しておくよ。マイラで間に合っている」
「そう言えばお主にオルタネイト伯爵から婚約の申し込みがあったぞ。レクティという姪だそうだ。婚約するのなら養女にすると言っておった」
「お断りで」
「そうなると別の申し込みが殺到するやも知れぬ」
「何で?」
「貴族は常に情報を収集しておる。オルタネイト伯爵が見出した利の裏付けをとるであろうな。さすればわかるであろう」
「仕方ないな婚約するか。結婚はどうなるか分からないけども」
「それは重畳。王族派が一人増えたのである」
アルミナと婚約する事になってしまった。
マイラが怒るだろうな。
女除けとでも言い訳しておこう。
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