第88話 愚痴と、収納魔法と、盗賊退治

「困った事になったのである」


 ランシェが俺の所に来て愚痴をこぼしている。

 一応聞いてやらないとな。


「何です?」

「反貴族レジスタンスが出て貴族を誘拐しているのだ。王族派、貴族派、中立派見境なしでな。おまけに身代金を払っても人質は帰ってこない。影を総動員して事件の解決に乗り出しているのである」

「奇遇だね。俺もオルタネイト伯爵から盗賊退治を頼まれている。こっちは品物だけ盗って人は殺さない。全く逆だ」


「ふむ気を付けるのである」


 そうランシェに言われて別れてから、俺とマイラは魔道具運搬の荷馬車に乗りこんだ。

 空間魔法か。

 前に考えた事はある。

 収納魔法を使いたいからな。


 とりあえず、作ってみるか。



 収納箇所を先に作って。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


extern MAGIC *item_box_make(chr *buf,int buf_size);

extern void item_box_save(FILE *fp,MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 FILE *fp; /*魂の定義*/

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 char ib[40000]; /*収納魔法の領域定義*/

 mp=item_box_make(ib,sizeof(ib)); /*アイテムボックス生成*/

 fp=fopen("カニキクカ.soul","w"); /*魂を開く*/

 item_box_save(fp,mp); /*アイテムボックス魔法の情報を魂に入れる*/

 fclose(fp); /*閉じる*/

 mclose(mp); /*閉じる*/

}


 こんなもんか。

 収納魔法を開くのは。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


extern MAGIC *item_box_load((FILE *fp);

extern void item_box_open(MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 FILE *fp; /*魂の定義*/

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 fp=fopen("カニキクカ.soul","r"); /*魂を開く*/

 mp=item_box_load(fp); /*魔法の情報を魂から読み取り*/

 item_box_open(mp); /*アイテムボックスを開く*/

 fclose(fp); /*閉じる*/


 while(1); /*無限ループ*/

 mclose(mp); /*閉じる*/

}


 こんなものか。

 よし、実行するぞ。

 黒い穴を作る事ができた。

 これに石ころを入れて。

 よし、魔法を終わらせて。


 穴が閉じたな。

 もう一度開いて。

 穴から石ころを取り出す。

 成功だな。


 魔導師が使っているのと同じ物か分からないが、とりあえずは出来た。


 マイラの為に魔道具を作ってやる。

 マイラの魂にも収納スペースが出来た。

 収納を開く魔道具を試してニンマリするマイラ。


「何が嬉しいの」

「ボディチェックされても武器を持ち運べるから」

「でも、魔道具は取り上げられちゃうかも」

「その時は【魂に付属する空間よ開け】」


 なるほどな。

 空間を作るのが難しいだけで開くのはそんなに難しくないのか。


 ガクンと馬車が揺れて停まった。

 外が騒がしい。

 敵のお出ましか。

 外を見ると盗賊が何人も見えた。


「武器を捨てて降伏すれば何もしない!」


 そう、盗賊が怒鳴っている。

 その時、仮面を着けたローブを着た魔法使いが突然現れた。

 あれが空間魔法使いか。

 誘導弾でも追い切れなさそうだ。

 どうやって仕留めよう。

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