異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第49話 スラムの住人と、敵討ちと、謎のマーク
第49話 スラムの住人と、敵討ちと、謎のマーク
今日の授業も終わったので放課後はおも研で過ごした。
そして、夕飯までの間、寮の部屋で過ごしていたら、くつろいでいる時に扉がノックされた。
「開いてるよ」
「マイ姉はどこ?」
訪ねて来たのは見た感じスラムの住人だな。
年の頃は10歳ぐらいか。
腕白そうな男の子だ。
マイラより年下なんだろう。
「マイラなら今出てる。元締めの所に納品に行ったよ」
「そう、なら行ってみる。ありがと」
そう言うと男の子は部屋を出て行った。
そして、俺は魔法開発に戻って没頭した。
日が暮れて暗くなったので、魔道具の
マイラは遅いな。
何かトラブルかな。
しばらく経って、暗い顔をしたマイラが部屋に入って来た。
「どうしたんだ。マイラらしくない」
「男の子が訪ねて来たでしょ。彼は死んだわ」
「また何で?」
「連続殺人犯にやられたのよ」
「許せないな」
「冒険者ギルドに元締めが依頼を出したわ。犯人はもうじき分かると思う。もし分かったら、仇を討ってあげたい。いえ、絶対に討つ」
マイラの目に怒りの炎が灯った様に見えた。
「良い事を考えた。その依頼、俺達も受けよう。情報収集の依頼なんだろ。何人もが同時に受けて問題ないはずだ」
「ええ、やりましょ。絶対に犯人を突き止めて殺すのよ」
次の日、授業を休んで、俺達は冒険者ギルドに行った。
真っ先に依頼掲示板の所に行くとお目当ての情報収集依頼を探す。
「あれじゃない」
「そうだね」
マイラが難しい字も読める様になっている。
集中力の賜物なのだろう。
それとも怒りの力か。
依頼を剥がして受付に並ぶ。
「あんた達、何かしでかすつもりじゃないでしょうね」
「何で?」
「マイラが殺気立っているからよ」
「知り合いを殺されたんだ」
「それはご愁傷様ね」
「この依頼で集まった情報を全て見せて」
「マイラ、あんたは依頼主じゃないでしょ。それは出来ないわ」
「邪魔するの。痛い目みたいのね」
「マイラ、無理を言おうとしても駄目だ。こういう時はこう聞くんだよ。もう有力な情報は入った?」
ギルドの決まりで依頼に関する事ならある程度は聞ける事になっている。
この場合、有力な情報があると、些細な情報は高く買い取って貰えない。
死活問題だから聞ける訳だ。
「敵わないわね。有力な情報はまだ入ってないわ」
「そう……」
「気を落とすなよ。俺達で突き止めようぜ」
「うん……」
「まず事件の情報を整理しよう。マイラは事件をどこで知った?」
「元締めの所で」
「それからどうした」
「元締めと一緒に現場に駆け付けたわ」
「そこでなんか気づいた事がないか?」
「ええと無いわね」
「よし、
マイラの案内で現場に行く。
血の痕がまだあったから、すぐに倒れていた所は分かった。
何か地面に書いた後がある。
バツ印に四角。
なんだろう。
よく見るとバツ印の線の太さが一定じゃない。
四角は長方形だ。
うーん、分からん。
犯人が書いた物かもしれないし、前に子供が遊びで書いたという事もあり得る。
だが、唯一の手掛かりだ。
俺達は現場の周辺で、何か物音を聞いたりしなかったか聞き込みした。
足が棒になるまで歩いたがめぼしい情報はない。
マイラと二人で、とぼとぼと学園の前にまで来た。
その時俺の目に飛び込んで来たのは魔法学園の紋章だった。
ペンと杖の交差とバックにスペルブック。
これだ、あのマークは魔法学園の紋章に違いない。
彼は魔法学園で何か見たのだろう。
一体何を見たんだ。
そう言えば彼は部屋の位置を誰に聞いた?
俺達は学園での彼の足取りを調べた。
部屋の位置を教えたのはおも研のメンバーだった。
もしかしておも研のメンバーの中に犯人が。
いいや犯人に繋がる情報を持っているかも知れない。
「彼は何か言ってなかった?」
「マイラの部屋の場所を訪ねたのだ」
「そう言えば彼はプリプリしてたよ」
「そうね、少し怒っていたかしら。でもお礼は言ったわよ。ありがとって」
分からん。
これだけで分れと言う方が無理だ
今のところ手がかりはない。
明日は魔石の流通を調べてみよう。
あの黒い魔石が普通の魔石から作られているとすれば、どこからか仕入れているはずだ。
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