異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第24話 魔法おもしろ研究会と、爆発と、ライバル
第24話 魔法おもしろ研究会と、爆発と、ライバル
「何か揉めてたようね。教室の中まで話し声が聞こえたわ」
セレンが教室から出て来た。
「セレンには話せない」
「うふふ、二人だけの秘密。悔しい?」
「悔しくないわ。タイトは友達じゃなくてライバルだから」
「それより、これから俺が入るクラブに行くんだ。もし、良かったら、セレンもどう?」
「タイト、無理に誘わなくても」
「マイラ、ただの社交辞令だよ」
「あなたが入るクラブには興味があるわ」
「魔法おもしろ研究会と言うんだ」
「面白そうね」
チラシにあった場所に行くと魔法おもしろ研究会と表札がある。
ここだな。
ドアをノックしてから開ける。
「ひょー、新入生が三人も。見たまえ、アキシャル君」
「エミッタ会長、そんなに、はしゃがなくても。どうせ冷やかしです」
アキシャルと呼ばれた青年は金属の花を作っていたからよく覚えている。
真理も一つ教えてしまったしな。
エミッタ会長は低身長グラマーな感じの女性だ。
白衣を着ていてどこかポンコツな博士を思わせる。
「さあ、得意の金属の花でもてなしたまえよ」
「やりますけどね。【花創造】【花創造】。美しいお嬢さん達どうぞ」
アキシャルはスペルブックを開くと花を2本作った。
葉と茎が鉄で花弁が銅と鉛で出来ている。
自分の物から召喚出来るという原則を応用しているんだな。
「しっしっ、あっち行け」
「美しいだなんて」
「君たちは魔法のどんな所に面白みを感じるかね」
「うーん、無限の可能性かな」
「殺傷力」
「手段の一つであって面白みなど感じた事がないわ」
「いかん! 実にいかん! 魔法で人を楽しませなくてどうする。諸君、芸術だよ。魔法とは芸術だ」
「会長のお得意のをやってみたらどうです」
「そうだな、アキシャル君。【爆発】」
エミッタがスペルブックを開き短縮詠唱すると、小さな爆発が起こった。
「どうだ、爆発は良いだろう。そう快な気分になれる」
この考えは分からない。
爆発が好きなのか。
変わってるな。
どうせやるなら花火でも打ち上げればいいのに。
「花火とは何だね! 非常にそそられる言葉」
また心の声が漏れていたらしい。
花火の技術ぐらい良いだろう。
「金属が燃えると色々な色を出すんだ。例えば鉄。これは赤で。銅だと青緑色。食塩なんかだと黄色になる」
「ふむ、金属をどうやって燃やすのだね?」
「火薬に金属の粉を混ぜるんだ」
「火薬とはこれまた、そそられる言葉」
「ええと、炭と硫黄と硝石を混ぜるとできるはず」
「ほう、それは秘伝ではないのかね」
「まあね」
「君には是非、おも研に入ってもらいたい」
「タイトは凄いな。私の知らない爆発の真理を知っているとは。私が習った爆発の真理は、燃焼物を霧にして、一瞬に燃え上がらせる事よ」
セレンに感心されてしまった。
こんな知識はプログラムに比べたらどうってことはない。
「こんな感じかね。【魔力よ炭と硫黄と硝石と銅になり燃え上がれ】」
青緑色の炎と白煙があがった。
「けほけほ、こんな所でやるなよ」
「見たかね。あの美しい炎を」
「会長、近所迷惑です」
「
「うん、考え直そうかな」
「待ちたまえ。君達に逃げられるとクラブの存続が危うい」
俺はエミッタにすがられた。
マイラが風の様に動きエミッタを引きはがす。
「うー」
マイラは野生になってしまったようだ。
エミッタに歯をむいて
「マイラ、落ち着いて」
「入ってくれるかね。入らないならハグしてキスしするぞ」
「うー」
「分かったよ入る。俺は魔道具開発をするけど良いよな」
「面白ければ何でも許可だ」
「じゃあ、ゲームの魔道具を作るよ。エアホッケーゲームだ」
「ふむ、面白い発想だ。エアホッケーが何かは分からないが、サイコロゲームなら、イカサマやり放題だな」
「そんなのじゃないよ。反射神経を試すゲームさ」
「ほう、運動が得意な者が得をするゲームか。カジノのゲームとは一線を画す」
「タイト、魔道具で斬新な遊びを作るというの。どこまで私を驚かせれば済むの。私もこのクラブに入りたい」
「セレンも入るみたい。よろしく」
「おお、大歓迎だ」
ライバルが増えたとマイラが呟いた。
競う仲間が増える事は良い事だ。
マイラにもその良さが分かるだろう。
作る予定のエアホッケーゲームは作るのがそんなに難しくない。
マレットというプレーヤーが動かす丸いパドルと、パックだけだ。
丸と丸の当たり判定が少し複雑だが、なんとか出来るだろう。
出来なければ世界システムに頼れば良い。
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