秘密の日記帳を開いてみた

 わたしが「鍵付き」のその日記帳に書き出したこと。


 わたし→水の巫女姫の「浄化の力」。

 無量くん→烏天狗の「破壊の力」。

 スバル先輩→陰陽師の「癒しの力」。

 黒川先輩→人の心を読む力。


 わたしたちは、これから妖怪退治という大きな目標の「部活動」をする?



 書き出して、少し落ち着いたかも。

 

 お母さんの幽霊。今日は出てきてくれないのかな。

 しんとした部屋にいるとちょっと怖くなった。


(戦いがある。気をつけて)


 ってお母さんの言葉はこれだったんだ。




「桃子、どうかした? お腹痛い?」

 トントンとノックの音がして、お姉ちゃんの声がする。


「なんでもないよ。お姉ちゃん、今開けるね」


 わたしはようやく笑顔になれた。部活動から帰る途中のモヤモヤが吹き飛んだ気がする。


 何かあったら、またお母さんの幽霊に会えるのかな?


 戦いは嫌。妖怪退治なんかしたくはない。

 でも、逃げてばかりいたらだめだよね。


 お父さんにもお姉ちゃんにも話せない「秘密」ができた。これから、この日記帳に、そのことを書いていこう。


(第1章終わり)


ここまでお読みいただきありがとうございます。


変な話ですが、よろしくお願いいたします。

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