萌えポイント
私は、クラスの女子のお友達とは萌えポイントが違うみたいなの。
今の私の好きな人は濵口圭くん。
濱口圭くんは、めっちゃカッコいい大食い男子なんだよ。
圭くんは給食の時間が一番輝いて見える。クラスメートの男子の誰よりもピカーンって光ってる。
私は、残ったプリン一個をじゃんけんで勝ち取った時の圭くんの笑顔が大好きだ。
キューンッてしちゃう。
☆♡★
やってきました、バレンタインデー!
大食いな圭くんのために、前日から頑張って特大チョコレートケーキを焼いてプレゼントしました。
「あ、ありがとう……ゴザイマス。お、俺なんか大食いしか能がないのに、こんな美味しそうなチョコレートケーキを焼いてくれて、佐藤って良い奴だな」
「わっ私ね、圭くんの豪快なのに綺麗な食べっぷりが大好きなの」
「佐藤って変わってるよ。だから、給食の時間、じっと見つめてきたんか。あっぶね、勘違いするところだったぞ。俺の食ってる姿が凄すぎて見惚れてただけか」
「あの? 勘違いって?」
「クラス女子の中でも断トツ人気の佐藤が、俺のことなんか好きになるわけないよな。ははは、お前のことちょっと好きになりかけてたぞ。あー、俺の傷は浅い、気にすんな」
待って!
どうしてそんな、圭くん勝手に自己完結するのかしら!?
私はプレゼントしたチョコレートケーキの箱を、圭くんから取り上げた。
「なっ!? ドッキリだったのか。おかしいと思った。俺に女子がチョコなんて」
「ちょっとやり直し。これは私の本気の本気の大本命チョコです! 圭くんの大食い能力の才能も大好きだけど、困っている人を助けてくれたり、皆が嫌がる委員会を率先して引き受けたりするカッコいい圭くんが大好きです。良かったら、私と付き合って下さい」
「お、お、俺が佐藤とお付き合いぃぃー? へっ? 良いのか? 俺なんかで良いのか? 佐藤、後悔しない?」
「後悔なんかするわけないよ。はい、どうぞ。バレンタインのチョコレートケーキです。圭くんの食べてくれる姿を思い描きながら、心を込めて作りました」
圭くん、私からのチョコレートケーキを受け取ったまま固まっちゃったけど、あのお返事は?
おーい、返事下さい。
あぁ、ホワイトデーにでも良いよ。
待ってあげるから、絶対に良い返事をちょうだいね。
おわり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。