第22話 コレが、おれの力
喉がカラカラ。水瓶からカップ一杯の冷たい水を一気に飲んで目が覚めた。
あのビックビーのミード美味しかったけど、少し酔いが残っている?
ビラルさんはまだ寝ているようなので、水瓶を持って外に。今朝もひんやりしているな。これから日々寒くなるってビラルさんが言ってたな。井戸へ向かった。
顔を洗って、水を入れ替えた水瓶を持ち家に戻る。
そういえば、起きたらステータス確認しようとしてたんだっけ。テーブルに着いて・・・簡易ステータス!でいいのか? やってみればわかるか。
簡易ステータス!
NAME: ソーヤ 状態:健康
LV: 03
スキル 【たわし】【柄付きたわし】 洗浄(L3) 脱水(L1)
加護 【
かなりすっきりした表示になったな。うん。
「あ、ビラルさん、おはようございます。お水どうぞ。」
ビラルさんが起きてきた。二日酔いだって。あれだけ呑めばそうなるよね。でも今朝は腰の調子が良いそうだ。
「
「ビラルさん、ビックビーって言ってましたよね、どこにいるんですか? 蜜を採るのが大変そうですね。」
「ソーヤ、そのビラルさんって呼び方やめてくれんかのぅ。」
「呼び捨てでかまわんし、チビ達と同じビラ爺でもかまわん。一緒に暮らすのに他人行儀で尻がムズムズして落ち着かんわい。」
そんな話をしていると、今日も元気な声がドアの外から聞こえてくる。
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食器をもって、井戸の洗い場に向かう。ベルナさん。ニッコニコしながら待ってたよ。脇には昨日と同様に食器の山。さてやりますか!
では早速 "たわし召喚!”
「ねぇ、魔力は大丈夫? 昨日の魔力切れで倒れたのを見ちゃったから、ちょっと心配なのよねぇ。」
気を使わせてしまった。
「大丈夫です。一晩寝たらすっかり回復したみたいなんで。一日に15回ぐらいは "たわし召喚!” できそうですから。」
昨夜の神託の内容を思い出してザックリ計算して言う。
あ…でも、明日以降は、この
「あの、明日以降なんですけど。この事を知らない人に、
ベルナさんが、はっとした顔になった後、眉間にしわを寄せる。
「そうよねぇ。明日はマリーダが当番なのよね…。あの
「ちょっと待ってて。ザック呼んでくるから。」
そういうと急いで家に戻っていった。あの、もう洗い終わるんですけど。。
「なるほどなぁ。確かにそりゃまずいな。どうせそのうちにバレちまうだろうから、前もって言っておいた方がよさそうだな。」
ベルナさんと一緒に戻ってきた団長はそういった。
「どうせしばらくここにいるんだから、
団長が声をかけると、開拓団の面々がぞくぞくと井戸前広場に集まる。
「
旅の途中でここに寄ったソーヤなんだが。しばらくこの村で暮らすことになった。」
「よろしくお願いします。」
「「「「「 歓迎するぜ」するわ」しますよ」るよ」・・」
「で、みなに知ってもらいたいことがある。こいつの
そういわれ、一歩前に出て右手を突き出す。右手に注目が集まったところで。
"たわし召喚!”
「「「「「 !!!!! 」」」」」
そしてビラ爺が、昨日処理できなかった
「「「「「 !!!!! 」」」」」
「すげー!! 一瞬できれいになっちまった。。」
「それって、なんでもそうなるのか?」
そう聞かれたので、どうしようかと団長を見ると
「昨日トイレに行った時、いつの間に建て替えたんだと思ってたけど、そのせいだったのか。しばらく見とれちまって長居しちまったぜ。」
「おまえのトイレが長いのはいつもの事だろ!」
誰かがそう
「わっはっはっ・・・ちげぇねぇ!」
みんなトイレには少なからず思うところがあったみたいだ。
皆が次々に「よろしくな」と言いながら肩を軽くたたいて、それぞれの仕事に戻っていく。
--------------
そして、お洗濯の時間。3つの大きな
そして "たわし召喚!” ・・・・ ゴシゴシ!ゴシ!ゴシ!
えっ・・・手にしたのはかぼちゃパンツ。 これ、女性の下着だよな・・・手が止まってしまった。
「や~だ~よ~、ソーヤったら顔赤くしちゃってぇ。あたしたちゃ気にしないから、さっさと洗っちゃっておくれ。」
いや、おれが気にしちゃうんだけど。
ここは無心、無心、無心・・・
洗い終わって、物干しに掛けたらたわしの水気をきって、乾燥!開始! 次々に乾かしていく。
あ・・・これ・・・ここは無心、無心、無心・・・
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