レディの告白2
「……大丈夫です。憶測を確信にすることが先決ですから」
兄さんは動きもしなかった。
だが、ロバートの名前には耳をピクピクさせていた。
「いつまでかはわからないが、本気で言っていた時期があったように思います」
「……はい、わたくしにもハッキリはわかりません。彼が来なくなった日、会いに行って見てしまったんです。お父様が彼を責め立て殺す所を。見ていたことはまだ知らないはずですわ。だってショックで忘れてしまっていたから。正確には忘れたり、急に思い出したりを繰り返して半狂乱に陥っておりました」
ボクの予想は当たっていた。
「……ハッキリと理性が今は戻っておりますの。それは───」
レディイザベラはまっすぐボクを見た。
「カナリアさまに出会えたからですわ。初めてお会いした日、遺体を見て違和感を感じたんですの。今までは、お父様に殺されたのだわという確信だけでした。……どうしてか確かめたくて、またお会いしに行きました。そして、───その答えがわかりました」
初めて会った時と2回目では何かが違った、それはレディの瞳。
ボクを見ていながらも遠くを見ていたレディが、2回目ではしっかりとボクを見ていた、焦点が合っていたんだ。
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