作戦会議という名の悪巧み
───「えー、これより、刑事・監察医・探偵の捜査本部を簡易で設立します」
プレハブ感漂う会議が始まる。
場所はレイドール探偵事務所。
「ドクター・エレキエル。多忙の中、ご協力痛み入る」
「いえ、大したことではありません。私も解決を望みます」
「……ちょっと待って。俺には労いの言葉ないの? カナァ」
構っていたら進まないと冷たい視線を投げる。
「まずお聞きしたい。五体目と言っていたが、解剖まで至ったかを」
「いえ、身元確認が済むまでは霊安室におかれますが、盗まれる方が早く至っておりません。家族、若しくは親族が見つからない場合、死亡確認のみで火葬されることにはなっております」
「やはり。では、身元不明と判断されるリミットは? 」
「基本的に、優先されるご遺体がない限りは1週間前後になります」
ならば、盗む行為はリスキーではなかろうか。
「書面をまず作成しますが、何故か書面ごと盗まれています」
やはり証拠隠滅か。
「書面さえもないとは、用意周到だな。だが……」
ボクは悪い笑いをする。
「2人には共犯者になって頂こう」
ビックリするドクターを尻目に、ため息をつくヴィンセント。
「ドクターには死体交換を。ヴィンセントにはレディ誘拐を、ね」
慌てるドクターと更に深いため息をつくヴィンセントがいた。
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