車内での淫行

バブみ道日丿宮組

お題:俺は動揺 制限時間:15分

車内での淫行

「この人痴漢です!」

 女子高生の叫びに周囲がざわついた。

 そして握られてるのは、俺の手。

 ドキッとした。

「この人がしてました!」

 さらにざわつく。

 よーく見ろと、彼女を睨みつけると、

「違いました! 失礼しました!」

 手を離された。当然だよね。それでも胸の動悸は収まらない。


 ーー次の駅。


「……ちょっといいかな」

 女子高生に声をかけ、降車。

 この頃になると、お互いだいぶ落ち着いてた。

 電車内に残る濡れ落ちた雫はラッシュアワーで踏み消されるだろう。

 彼女を連れて降りたにはわけがある。

「相手が女性だからって、痴漢しないってことはないんだからね」

 自供する。

 俺が痴漢をしてたのは事実だ。もみもみ、ずんずんと、触ったり、入れたりした。

 これからのことで話をしておきたかった。

「えっ、それって触ってたってことですか!?」

「柔らかい感触はいいものだからね」

「……あなた自分の姿を鏡で見たことがないんですか?」

 どういった質問だろうか。朝顔を洗うとき、夜歯磨きをするとき、お風呂を入るときにも自分を見る。通学の道中、手鏡で髪の毛を見たりもする。

「俺のどこかにおかしなところがあるのか?」

「素敵なプロモーションしてるじゃないですか。私なんかよりよっぽど、いいものを持ってると思いますよ。それに女性なのにどうして【俺】口調なんですか。勘違いされますよ」

 なんか涙目になってる。こっちがいじめてるみたいじゃないか。やめてくれ。耳元で囁いたのがいけなかったか? だって、感じてる女の子に言葉をかけたら、とろんとするじゃないか。あの高揚感はやめられない。もっといい方法があるなら、ぜひレクチャーしてほしいものだ。

「俺は俺だからね。それで、どうだった?」

 感想を問う。

「……それは」

 どうどう。

「……気持ちよかったです。数分の快楽に落ちてしまいそうなくらいに。でもーー」

 声を出した。勇気を振り絞った。

 そしたら、相手が女性だった。しかも自分と同じ女子高生。戸惑わないことなんてない。

「じゃぁ、連絡先交換しようよ」

「……どういう意味です」

「今度じっくりやらない? 今はほら、学校行かなくなちゃいけないからさ」

 ポーンという汽笛音を奏でるように彼女は赤面した。

「ほらほら、スマホ出して」

 赤くなりながらも彼女は言われるがままにスマホを取り出した。

 数秒間のやり取りで、連絡先の交換が終わる。

 そして今日の放課後、とあるホテルの前で集合することを約束した。


 今日も可愛い子猫ちゃんが連れた。きっと明日も増えることだろう。そう思うと、陰部がきゅんとした。

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車内での淫行 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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