携帯電話

あっ、来た!

ピコンという着信につい身体が反応する


慌てて画面を確認して、

「ああ、なんだ。彼じゃない」とがっかりする


貴方からの返信かと

ずっと待っていたけど、

返ってくるのは決まって貴方じゃない誰か


違う、

違うよ、

私は暇潰しの相手なんていらない

他の誰かじゃダメなの


私は貴方といる時間が

どんな時より一番楽しいの

貴方がそばにいるだけで

それだけで笑顔になれるの


ねぇ、

貴方は今何してるの?

貴方の隣には誰がいるの?

貴方の一番は誰なの?


ああダメダメ、こんな事聞けない


はぁ、とため息を吐きながら募る想いに蓋をした

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