3日目 登校②

 私は今、夢のセカイにいる。その内容は、昨日のかいくんとの帰路きろでの話など、諸々もろもろだ。


 現実世界の時刻は“07/02 木曜日 05:59”だ。7月が始まって2日目。これから本格的な夏が始まる。


 06:00、スマホが僕を呼ぶ。僕は現実世界に戻り、ベッドの上で上半身を起こし、スマホに“ストップ”というボタンを押してスマホに返事をする。


 うぅーん!っと体を伸ばす。そしてベッドから出る。そして、またまた体を伸ばす。体を完全に伸ばしきれていなかったみたいだ。


 洗面台に向かい、冷たい水を出し、手でその水をすくい、その水を顔にバシャバシャとかける。うん、目が覚さめた。

 自室に戻り、パジャマを脱いで、学校指定の半袖シャツを着て、青を基調きちょうとしたズボンを穿き、そのズボンをベルトで固定する。赤色のネクタイを付けて、あ、ころもえだからノーネクタイか。最後に靴下を穿けば着替えは完璧だ。

 洗面台に戻り、寝ている間にできた寝癖を直す。ヘアアイロンを使って、髪を真っ直ぐにしていく。うーんっ、今日はろう。手を器用に使って髪にふくらみをつけていく。よし、完璧。

 リビングに行くと、両親がいた。お父さんはスマホでヤ○ーニュースを見ていて、お母さんは朝食の準備をしていた。

「「おはよう、かい」」

「おはよう」

 お互いに挨拶あいさつを交わす。

「誡、制服似合ってるぞ」

「ありがとう」

「こら誡、えりはちゃんとしなさい。カッコ悪いわよ」

「あ、ごめん。気づかなかった」

「次からはちゃんと気にするのよ」

「分かったよ」

「そういや、高校に入学して3ヶ月、友達はできたの?」

 お父さんが唐突とうとつに訊いてくる。そりゃあ勿論もちろんもものおかげで楽しい。友達だってできた。

「うん、毎日楽しいよ」

「それはよかった。お母さん、安心したわ。3年間の高校生活、思う存分ぞんぶん、楽しみなさい」

「分かった」

「さっ、ご飯食べましょ」

 お母さんがそう言うと、ソファーに座っていたお父さんがお尻を浮かせてダイニングテーブルへと動き出す。なんかロボットみたいな表現でごめん。

 今分かったことがある。昨日、ももが親から訊かれた内容と今日、僕が親から訊かれた内容がいっしているのだ。僕の親と桃葉の親って、接点あるのかな?

 ダイニングテーブルに並んでいるのは、白く輝く白米、如何いかにも出汁だしが効いていそうな赤だしを使用した味噌汁、こうばしい香りがただよい、皮がパリパリに焼き上げられ、鮮やかなオレンジ色を見せる焼き鮭だ。いたって普通の和食を意識した朝食だろう。

「いただきます」と手を合わせて言ったあと、白米を口にする。家うちでいつも食べているお米は秋田県産あきたこまちだ。お米の中で一番美味しい。

 とダイニングテーブルに置いていたスマホが鳴った。

 “水谷 桃葉”さんが写真を送信しました

 開くと、今日の朝ごはんだろうか。料理が写されていた。え待て、俺の家とメニュー同じじゃん。

 “水谷 桃葉”さんがメッセージを送信しました

『誡くんの今日の朝ごはんは?』

 俺は食べかけの料理をスマホで撮って桃葉に送る。

『写真』

『こんな感じ』

『わぁ!私と同じじゃん!!これはキセキ??』

『キセキなんじゃないかな?』

『ちなみになんの味噌汁??』

『今日は珍しく豚汁とんじる。お母さん今日朝早かったのこれが原因かも』

『おお。私の家も今日豚汁なんですよ〜誡さん〜』

『ウチの親と面識めんしきあるの?桃葉の両親』

『わかんない』

『そうか』

『ひま〜』

『僕まだ食べてるから』

『食べ終わったら構ってよね!』

『はいはい』

 白米を物凄ものすごいきおいで口の中に放り込む。味噌汁を口に流し込む。鮭は食べ終わっていたのでOK

 自室に戻り、今日いる教科書やらノートをカバンにぶち込む。


 時が流れ、時は7:15を迎えた。

 今日はいつもよりも早く家を出る。家を早く出たことについて、母は怪しそうに僕のことを見ていた。

 ちなみに、両親には彼女ができたことはまだ報告していない。絶対いじられるからだ。


 「行ってきます」


 俺は、水谷桃葉のもとへ、足を地面アスファルトに踏み込む。

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隣の席の琉宮くん観察ノート 安城 宇渡 @sammafu

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