悲鳴

「ひっ」

という短い悲鳴が聞こえた。声の方を向く。アパートの2階の端から5番目の部屋。窓が空いていて誰かが立ってこちらを向いていた。顔周辺が暗くてどんな表情を浮かべているのか分からなかった。なんとなく気になったので近づいて確認しようとした。

「どうかした?」

友人に声をかけられて振り返る。

「いや、あそこの...いや、なんでもない」

「ふーん、変なの」

友人に説明するためにアパートを見るとそこには誰もいなかった。特に気にする事でもないとその場を離れた。


次の日、同じ場所を通るときに友人に「あそこ誰が住んでるんだっけ」と聞くと「誰も住んでないよ」と言われた。

昨日見た人影はなんだったのだろう。

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創作怪談 @mizuiro0430

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