第66話 クリスマスイブ 私のベッド


「ねえ、先生。 ワインって、そんなに美味しいの?」

「ふふ。 美味しいわよ。 分けてあげましょうか?」

 おいでおいで、ってしてくれる。 私は酔ってる先生がえっちで大好きだから、すぐに吸い寄せられる。 お膝の上に座って、向き合う。

「んっ」

 舌を入れて、キスをする。 そのまま、えっちなキスになる。

「ん……ふっ……」

 ワインの味なんか、分かんない。 分かるのは、先生のくちの中がいつもの通りにぷにぷにで、すごく美味しいってことだけ。

 ちら、と目を開けてみると、先生、目を閉じて、とっても気持ちが良さそう。 

 長い睫毛。 目元は少し、赤くなってる。

 お酒を飲んだ先生はきれいで、ちょっとご機嫌で、いつもよりもっとえっちになる。

 何度も舌を交差させて、気持ち良くなる。 まだここしか繋がってないのに、全身が、よろこんでる。 頭の中も、目も、鼻も、くちも。 ぎゅっとしてる手も、ぎゅっとされてる背中も、それから、さっき先生からもらった、お下がりのワンピースの、その中も。

「ん……はぁっ」

 唇が、離れる。

 私も先生も、うるうるで、とろとろになっている。

「先生……。 しよ。 えっちしよ」

「そうね、しましょ。 お風呂、入ってから……」

「やだ。 今。 今、しよ。 タイツ、脱いで」

 私も脱ぐから。 今すぐ、しよ。

「やだ、って、あなた。 だめよ。 きれいにしてから、ね」

 私は、首を横にふりふりする。 すぐだよ。 先生だってほんとは、したいでしょ。

「脱いでくんないなら、脱がしちゃうよ」

「まあ! 悪い子。 分かったわ、脱いでシャワーだけ、しちゃいましょ」

「だめ! すぐ、くっつきたいの。 ちゅーして、あそこ、触りっこしよ」



 結局、先生は根負けした。 私は知ってる。 お酒を飲んだ先生は、いつもよりさらに流されやすい。 ふふふ。 

 私たちは下着姿で、ベッドに入る。 お布団も掛けて。

「ベッド、狭いの。 ごめんね。 先生のお家と違って」

「シャワー……」

「まだ言ってる」

 唇、キスで塞いじゃう。 首に腕を回して、また、唇をくっ付ける。 私から、舌も入れる。

「ん……」

 身体をぴったりくっ付けて、脚も絡める。 すべすべの長い脚が、気持ちいい。

 こうやって密着してると、私、すぐによくなっちゃう。 

 確かめたくて、自分のパンツの中に、手を入れてみる。 当たり前に、濡れている。

「ねえ、違うでしょ。 触りっこでしょ……」

 さっきまで、シャワーって言ってたくせに。 えっちだ。

「えへへ。 ごめん」

 今度は、先生の指が入ってくる。 私も、先生の黒いレースのパンツに、手を差し込む。

「先生、ぬれてる……」

「だって、夕陽が……。 ぐいぐい、来るんですもの」

 酔って、目を閉じたまま、つぶやく。 すっごい、かわいい。 先生、大好き。

 向き合って、またキスをする。 キスしながら、お互いのそこを触り合う。 唇からも、お布団の中からも、くちゅ……と音がしている気がする。

「先生、前までは触らせてくれなかった。 今は、触っていいの?」

「だって、怖かったんだもの。 夕陽、一生懸命だから。 すごい力を入れてきそうで」

 ひどい。 力なんか、入れないもん。 と、思うけど……。

「確かに、一生懸命、指いれちゃうかもしれない……」

「ふふっ。 真面目な顔、しなくていいわよ。 ごめんなさいね。 先生、怖がりなの」

「今は、怖くない?」

 先生は、私のほっぺたに唇を触れさせながら答える。

「怖くないわ。 やさしく触ってくれるって、分かったもの」

「えへへ……」

 恥ずかしくなる。 でも、嬉しい。 

 ちょっとだけ指を入れると、先生のとろとろ、あふれてくる。 そのとろとろを、先生の気持ちいいあれに、塗りつける。 とろとろを塗りつけられたあれは、ぴんとかたくなって、もっとして、って言ってるみたい。

 だから、何度もしてあげる。 かたくなったら、摘んであげる。 私は、それがとっても気持ちいいって、知っている。

「あぁ……。 すっごく、いい」

「私もだよ。 気持ちいいね。 先生、大好き」

 私が先生を気持ちよくさせてるなんて、夢みたい。 

 先生は、うっとりと目を閉じている。 私はきれいな横顔が見たいから、ずーっと、そっちを見ていた。 だからなかなかいけなくて、先生は「先生、下手だった? きもちよく、なかったの?」とふにゃふにゃになりながら、心配してた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る