第12話 春のお茶会
お友達のケイと放課後、ハンバーガー屋さんに来た。
カフェ、行かない?って言われたから。 おしゃれカフェ、むり、お小遣い、ない。 って言ったら、相談したいから、どこでもいいから寄り道したいって。
「あのね、変な相談なんだけど」
「うん」
「こないだ、保健室でさ。 彼氏とチューとかしてるって、言ってたじゃん」
もう、ケイと一緒の時は、彼氏でいいや。 本当は、あなたも知ってる保健室のきれいな先生だよ。 絶対言えないけど。
「あのさ。 チューだけ……じゃないよね?」
「う……うん」
まあ。 保健室でも、しまくってる。 えっちなこと。
「あたしも、えーと、彼氏いるんだけど。 大学生の。 まぁ、お兄ちゃんの友達なんだけど。 チューはさ、するじゃん。 それで、なんか向こうが興奮して、脱がしてくるじゃん。 胸とか、触ってくんじゃん。 でもさ、いざ下触られたらさ、全然、よく分かんないっていうか。 まあ、私のせいで、できなかったわけ」
「えっ」
彼氏と、キスして、脱いで、触って、できないの?
「濡れないってこと?」
「お、おお!? すごい事、さらっと言うね。 まぁ、そう」
しまった、これ、すごい事だったのか。 濡れるのどうのは、外では絶対言わないようにしよう。
「その感じだと、君は、あたしよりだいぶ上級者のようだな」
私はなんとも答えられず、カフェラテをちゅーっと飲む。
「上級者。 君はどこまでいったんだ」
「い……言いたくない」
「それは無理! さては、最後までやってるな」
「う、うん」
ケイのいう最後と、私の思う最後まで、は厳密には違うと思うけど。 いくまで、してもらってます。
「あんた…… おとなしそうな、かわいい顔して。 髪も染めてないし、巻いてもないのに。 化粧もしないのに。 四千円のリップくれた男と、やったんか……そうか……」
男じゃないけどね。 やりまくってるよ。
「あのさ。 男は、分かるよ。 なんか、出したいらしいじゃん。 でも、女もさ、気持ちよくなるのかな」
男の事は、知らないけど……。
「なるから、みんなするんじゃないの」
「ちょっと~! 急に大人……。 ねぇ、気持ちいいの? 誰にも言わないから、教えて」
「声、でかいよ。 絶対、絶対、誰にも言わない?」
「言わない。 つーか、言えないでしょ」
言えないよね。
「めちゃめちゃ気持ちいいよ。 いったら疲れるけど、また、したくなる」
「先輩……。 どうしたら、めちゃめちゃ気持ちよくなれるの?」
うーん。 これは、困ったな。 だって、
「ごめん…… 私は、最初からよかったから……」
「才能かよ。 だってさ、チューとかも、ダルくない?」
信じられない。 チュー、大好きですけど。
「えっと……わからない……私はキス、好きだから。 1人でする時も、できないじゃん。 キスだけは」
サーッと、ケイが引いたのが分かってしまった。
「まって……。 大先輩は、1人でも、するの?」
えっ……みんな…… しないの?
「っていう事が、ありました」
保健室で、お茶。 私専用の青いカップで、先生が淹れてくれた紅茶を飲む。
「ふふ。 面白い。 彼女、お付き合いそのものは楽しいのでしょうけど。 お相手の方のほうが、好きが勝っているのかしらね。 それに、ひとりですると、感じ方が分かるから、いっぱいしたらいいわ」
「私は、先生大好きだよ」
「知っていますよ。 今日も、2人でしかできない事、しましょうね」
そう言って、白湯を飲んでいた先生は、私のほっぺに唇を寄せた。 あったかい、私の恋人の、唇。
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