彼女との一日
朝起きるとすぐ横に美月が龍の顏を眺めていた。
「え!美月なにしてるの!?」
龍は驚きながら口にした
「おはよ。さっき奏ちゃんがご飯できたから降りてきてって
言ってたよ」
「分かった、じゃないよ!」
「どうしたの?」
「どうしたの?じゃないよ。なんで俺のこと眺めてたんだよ」
「なんとなく可愛いかったから」
「なんとなくかよ。びっくりしたわ!」
「そんなことより早く下に行こ。奏ちゃんも待ってるだろうし」
「おう」
下に降りると奏が一人で座っていた。
「奏、待たせてごめんな」
「別にいいよ。いつものことだし。お母さんもう仕事に行ったよ」
「そうなのか分かった。じゃあ食べよう」
「「「いただきます」」」
普段は母が朝食を作るのだが今日の朝食は奏が作ってくれたようだ。
「奏、今日の朝飯うまいな!毎日お前が作ってくれよ」
「お兄ちゃん、ご飯食べながら話さないでよ」
「奏ちゃんの料理美味しい。」
「ありがとうございます!私、美月さんの料理を食べてみたいです。食材は冷蔵庫の中に入っているものを適当に使って一品作ってください」
「いいよ。台所、借りるね」
そう言うと美月は台所に向かった。美月がエプロンをかけ、髪を結ぶ姿に龍は見惚れてしまい美月をガン見した。
「龍、そんなに私のことジロジロ見ないでよ」
美月が恥ずかしそうに言った
「あぁ。ごめん」
『もっと美月のエプロン姿を見たかったな』と思っていたら奏が小声で話しかけてきた。
「お兄ちゃん、さっき美月さんに見ないでって言われたけど、もっと美月さんのエプロン姿見たいと思ってるでしょ」
「なんで俺の思ってることわかるんだよ。まあ見たいけどさ」
「そんなお兄ちゃんにいいものあげるよ」
スマホに一つの写真が届いた
「お前この写真」
スマホに届いた写真は美月のエプロン姿だった
「さっきお兄ちゃんが美月さんに注意された時に撮ったんだよね」
奏が自慢げに言ってきた。
「ありがとうございます奏様。保存させていただきます」
そんな会話をしていると後ろから料理を作り終えた美月が龍のスマホを取り上げてさっき奏からもらった写真を削除された。
「ちょっと美月頼むよ~。お前のエプロン姿いつでも見れるようにしたいんだよ~」
「駄目です!」
「お兄ちゃん、流石にきもいよ」
「そんなことより私の作ったもの食べてよ」
美月が作った料理は奏の作った朝食に足りていなかった栄養が入っている野菜入り卵焼きだった
「これを料理したと言えるかわからないけどどうぞ」
「「いただきます」」
「う~ん!美味しいこんなに美味しい卵焼き初めて。野菜を入れるっていうアイディアすごいな」
「私もこんな美味しい卵焼き食べたの初めてです」
「ありがとう」
「また作ってよ」
「うん。分かったわ」
そのような会話をしているうちに朝食を食べ終わっていた。
「じゃあ行ってくるからな~」
「お邪魔しました」
「美月さん、また来てくださいね。じゃあお兄ちゃん、美月さんをエスコートしなよ」
「わかってるよ」
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
龍と美月は水族館に向かった。
「水族館久しぶりにきたね」
「そうだね。多分、俺は美月と最初のデートで来た時以来だわ」
「私もそんな感じ」
「じゃあ回ろっか」
龍は美月と水族館を回った。美月が好きなペンギンとの触れ合いコーナーやイルカショーなどを見て回った。
「それにしてもペンギンを見た時の美月、子供みたいにはしゃいでたな」
「だってペンギンすごく可愛いんだもん。あ、このペンギンのぬいぐるみ買おうっと」
龍と美月はお土産コーナーに来ていた
「それ持ち帰れるのか」
「うん」
美月が買ったぬいぐるみは、とても大きいものだった。なので龍は心配した
「まあ俺が家まで送るから持ってやるよ」
「ありがとう」
帰路を辿っていると
「ねえねえ、お母~さ~ん」
「な~に?」
「あそこでいちゃついてるカップルって、ぞくにバカップルっていうやつなの?」
「そういうことは言わないの」
龍と美月はお互いに顔を赤らめた
「俺たちって周りから見るとそう見られるのかな?」
「そうなのかもね」
そんなことがあったが無事に美月の家に着くことが出来た。持っていたペンギンのぬいぐるみを渡し家に帰ろうとすると
「龍、夏休みの最終日、夏祭りあるから一緒に行こ」
「別にいいけど行くなら二人で行こ」
「分かった。集合時間は後でメールするね。じゃあね」
「今日は楽しかったよ。またね!」
そういうと龍は美月の家を後にした。
「今日は美月の好きな物、知れて良かったな。今度は俺から遊びに誘おう」
と独り言をつぶやきながら帰路を辿った。家に帰ると奏が玄関で待っていた
「どうした奏?もしかして俺の帰りをずっと待ってたのか」
「そうだよ。それでそれで?美月さんとのデートどうだったの?」
「楽しかったよ。水族館、久しぶりだったし美月もペンギンを見て子供みたいにはしゃいでた。美月の好きな物を知れて良かったよ」
「そう。それは良かったね。夏祭り一緒に行こうって誘ったの?」
「なんで?」
「いやなんとなく。え、まさか誘わなかったの!?」
「いや美月から 誘ってきたから行くことにはなってるよ」
「いやいやそこはお兄ちゃんから誘わないと。まあ良かったわとりあえずご飯できてるからお風呂入ってから食べて」
「分かった」
そう言うと龍は風呂場に向かった。
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