海に行く
夏休みが始まり早くも10日近く過ぎたある日
『プルルル、プルルル』
龍に電話が掛かって来た。
「誰からだろう?!」
美月からだった。10日近く友達と話していなかった龍は少し戸惑いながら電話にでた
「もしもし。どうした?」
「明後日海に遊びに行かない?」
もちろん龍はなにも予定がなかったので
「いいよ。じゃあ明後日どこで待ち合わせする?」
「じゃあ駅前で待ち合わせね」
「OK、分かったじゃあ明後日駅前でな〜」
と言って電話を切った。
「海行くのいつぶりだろうな〜」
去年の夏休みは雨の日が多くなかなか海に行けなかった。
「明後日雨降らなければいいな〜」
と龍は呟いた。興味が無さそうに言ったが内心とても楽しみだ。彼女と海に行けるということがとても楽しみなのだ。彼女の水着姿を拝む事ができるのだ。男なら誰しもが1度は見たい光景が見れるのだ。などの妄想を膨らませているとドアが開き話し掛けられた。
「なにニヤニヤしてるの?お兄ちゃん?」
妹の奏だった。
「別にそんなことないよ。それよりどうした?」
「ああ。お母さんがご飯できたから降りてこいって」
「分かった。ありがとな」
と言うと奏は部屋を出ていった。龍も後を追うように部屋をでた。
2日後…
約束に日駅前に行くと美月の他に一樹と隼、そして美月の友達でクラスメイトの美鈴と美侑がいた。龍は驚いた美月と2人で海に遊びに行くものだと思っていたからだ。
「あ。龍〜」
美月に声を掛けられた。龍はみんなのところに向かった。
「全員揃ったね。じゃあ行こっか」
みんなで電車に乗り込んだ。すると隼が話し掛けてきた。
「おいおいwまさか美月と2人きりでのデートとかって思ってたのかい?w」
「そんなことないよ。俺の他にも誰か誘ってるんだろうなって思ってたし」
龍は正直のところ2人で海にデートだと思っていた。
「それにしても驚いたな。まさか合計で6人で海に行くなんて特に一樹あたりは勉強とかって言って来ないと思ってたし」
「まあ確かにな俺が遊びに誘ったら海だったら行くって言いだしてさ〜。それで美月にその話したらOK。じゃあ人集めるねって言われて今に至るって感じ」
「一樹が海だったらって言うなんて。過去になんか思い出でもあるのかな?」
「おいおい人の詮索か?」
一樹だ。俺らの話しを聞いていたらしく過去に海での思い出があるようで一樹の母と父はビーチで結婚式をあげたらしい。そのこともあって海にとても良いイメージがあるようだ。
気づくと海に着いていた。水着に着替えた龍と一樹、隼は美月達を待っていた。
「おまたせ〜」
「お〜。着替え終わったか…」
龍達は言葉を失った。何故ならそこには水着を着た美月達がいたからだ。キレイだった自分の彼女という事もあってもうなんというかヤバかった。
「どうかな?」
美月が恥ずかしそうに問いかけてきた。
「みんなめっちゃ似合ってるよ!」
「本当?嬉しい!」
美月達は本当に嬉しそうだった。
「早く海に入ろう!」
「うん」
そう言って龍達は海で遊んだ。水をかけ合ったり、ビーチバレーをしたりした。楽しいことをしていると時間はあっという間に過ぎていった。気づいたら午後の4時を回っていた。すると隼が
「最後に男女でペアになってあれに乗ろうぜ」
隼は指を指しながらそう言った。龍は隼が指を指している方を見るとボート的な乗り物だった
「いいじゃん」
「乗ろう乗ろう」
と言う声があがり乗ることになった。ペアは隼と美侑、一樹と美鈴、そしてみんなが気をつかってくれて龍は彼女の美月と乗ることになった。ボート的な乗り物に乗っていると美月が話し掛けてきた。
「私こういうの初めて」
「僕もそうだよ」
「海の上にいるとすごい思うんだけど海って広いね」
「うん。そうだね」
「私たちの関係もこれぐらい大きいものにしようね」
「うん。僕もそう思う。もっと美月と一緒に過ごしたいしいろんな事を知りたい」
そんな話しをしたりしている内に気づいたらもうゴールの地点におり合計30分あったのに凄く短く感じた。と思いながら海を後にした。
電車に乗って帰っていると隼が寄って来た。
「2人きりでの時間はどうだった?」
「やっぱりお前最初からこうする予定で海に行こうって話しにしたんだな」
「あれバレてた?そんな事はどうでも良い。でどうだったんだよ」
「まあいい感じだったと思う。互いの意見とかも言えたし今後一緒にどうしたいかとかも分かったから」
「おお。それは良かった。」
「お前はどうだったんだよ?」
「ああ俺?一緒に乗った美侑もすごいいい人ってことが分かったから俺的にも満足だったかな〜」
「おい2人で何の話してんだよ?」
一樹も寄って来て3人での会話が始まった。しばらくすると降りる駅に着きそこでみんなと解散した。
「今日だけで美月との距離がすごい縮んだ気がしたな〜こんな場を作ってくれた隼に感謝しなくちゃ」
という1人事を呟きながら帰路を辿って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます